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2013 Fiscal Year Research-status Report

新種非定型抗酸菌の同定と抗菌薬耐性化のメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 23590688
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

松島 早月  杏林大学, 医学部, 実験助手 (80231596)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大塚 弘毅  杏林大学, 医学部, 助教 (70439165)
大西 宏明  杏林大学, 医学部, 准教授 (80291326)
渡邊 卓  杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
Keywords非結核性抗酸菌 / rpoB / mycobacterium kyorinense
Research Abstract

平成25年度は、研究計画に基づき、以下の研究を実施した。
【1】Mycobacterium kyorinenseおよびその近縁種の耐性・感染性についての検討
昨年に引き続き、M. kyorinenseの菌株の収集を行い、現在14株を入手した。これらについて16S rRNA, rpoB, hsp65などのハウスキーピング遺伝子の解析を行ったところ、rpoB, hsp65については解析した範囲で全例が一致していたが、16S rRNA遺伝子では一部の塩基に多型が認められた。今後は、これらの14株で全ゲノム解析を行い、M. kyorinenseの種内での遺伝子多型と、微生物学的特徴との関連について検討を行う予定である。一方、近縁種であるM. celatumおよびM. branderiについても同様の遺伝子解析を行った結果、M. celatumの2型がこれらの遺伝子配列で100%M. kyorinenseと一致することが判明した。M. celatum の1・3型ではM. kyorinenseとかなりの差異が認められることから、M. celatumの2型はM. kyorinenseに再分類されるべきであることを提唱し、Annals of Microbiology誌にその結果を公表した。本事例のように、従来細菌学的性質から行われていた分類は不完全であり、時に遺伝子解析によって再分類が行われるため、Mycobacterium属の分類においても今後遺伝子解析に基づいた見直しを行う必要があると考えらえた。
【2】新規・希少非結核性抗酸菌の同定
23年度から継続的に呼吸器感染症患者検体の全例において抗酸菌培養を行ってきたが、分類不明菌は検出されなかった。そのため、本項目については研究を中断し、代わりに上記の抗酸菌の全ゲノム解析を進めることとした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Mycobacterium kyorinenseおよびその近縁種の遺伝子解析においては、M. celatumの2型はM. kyorinenseに再分類されるべきであることを明らかにするなど、期待以上の成果が得られた。一方、新規・希少非結核性抗酸菌の同定については、期待したような同定不明菌が得られなかったため、研究の進展が見られなかった。以上の結果から、総合的に見て、概ね研究は順調に進行していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後は、M. kyorinense株の収集を引き続き行うとともに、M. kyorinenseの14株およびM. celatum等の近縁種で全ゲノム解析を行い、M. kyorinenseの種内での遺伝子多型および近縁種との遺伝学的差異について検討を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

2年間にわたり、呼吸器感染症患者から100例を超える検体を採取し、ほぼ全例について抗酸菌培養検査を行ったが、希少・同定不能の抗酸菌は見られなかった。そのため、予定していた新規・希少非結核性抗酸菌の同定に関する費用が未使用となった。
これまでに、M. kyorinenseの菌株を14株収集できたが、16S rRNA遺伝子解析において、いくつかの差異が認められている。今後、全ゲノムシークエンス等を用いて薬剤耐性遺伝子を含めた遺伝学的差異について検討し、菌の細菌学的性質との関連を検討する予定である。未使用額は、これらのゲノムシークエンスの費用等に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Proposal of reclassification of Mycobacterium celatum type 2 as Mycobacterium kyorinense2014

    • Author(s)
      Hiroaki Ohnishi, Enrico Tortoli, Jesus Pais Ramos, Yuko Kazumi, Shota Yonetani, Satsuki Matsushima, Kouki Ohtsuka and Takashi Watanabe
    • Journal Title

      Annals of Microbiology

      Volume: 未定 Pages: 未定

    • DOI

      10.1007/s13213-014-0860-9

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Mycobacterium kyorinenseおよびその近縁種の遺伝子解析2013

    • Author(s)
      大西宏明、松島早月、大塚弘毅、米谷正太、荒木光二、岸野智則、渡邊卓
    • Organizer
      日本臨床検査医学会
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      20131101-20131101

URL: 

Published: 2015-05-28  

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