2012 Fiscal Year Research-status Report
アプタマーによるペプチドホルモンオキシトシン高感度測定法の構築とその臨床応用
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23590690
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐野 佳弘 昭和大学, 薬学部, 講師 (40338538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 秀俊 昭和大学, 薬学部, 教授 (70129807)
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Keywords | オキシトシン / アプタマー / アスペルガー症候群 |
Research Abstract |
本研究は、アプタマーによるペプチドホルモンオキシトシン(Oxytocin : OXT)高感度測定法の構築とその臨床応用を目的としている。昨年度は、研究実施計画に掲げているアプタマーのイムノアッセイへの応用について検討した。はじめにOXTの酵素免疫測定法 (Enzyme immunoassay : EIA) を検討した結果、検量域5.0 - 500 pg/assay、検出限界1.0 pg/assayであった。この検出感度は、現行市販されているOXT EIAキットとほぼ同程度である。さらに、OXTと構造が非常に類似しているペプチドホルモンバソプレシン(Vasopressin : VAP)との交差反応性を確認した結果、0.01%以下(B/B0 50%値による比較)であった。つまり、OXTを特異的に測定するEIAが確立された。 次に、このOXT EIAの抗OXT抗体の代わりに適用するアプタマーの創製を検討している。現在までに、RNAアプタマーとDNAアプタマー創製を30塩基のDNAプール(ライブラリー)を用いたSELEX法により検討を行った。それぞれのSELEX法により得られたアプタマーをクローニングにより塩基配列を決定したがイムノアッセイに適するアプタマーを得られなかった。そこで、SELEX法に用いるDNAプール(ライブラリー)を新規に約70塩基とし、SELEX法の条件も予試験的に16 ROUNDまで行い設定した。現在、予試験で得られた条件を基としたSELEX法によるOXT反応性アプタマーの創製を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究実施計画としてオキシトシン(OXT)反応性RNAアプタマーの創製を行ったが、良好な結果が得られていない。そこで、平成24年度ではDNAアプタマー創製についても検討を行っている。さらに、DNAアプタマーの創製では、ライブラリーDNAを2種検討している状況である。 平成24年度実施予定である②表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた測定法に関しては、トロンビン結合アプタマーを用いた予備実験を行っておりOXT反応性アプタマーに適用する準備は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
オキシトシン(OXT)反応性アプタマーの創製 OXT反応性アプタマーの創製を達成するために、RNAアプタマーとさらにDNAアプタマーについて検討する。また、ライブラリーDNA2種(30塩基と70塩基)を用いて検討を行っている。①マイクロチップ電気泳動による定量法についての検討は K. Ohno, C. Nakata, Y. Sano, F. Nishikawa, S. Nishikawa and H. Arakawa, Current Chemical Genomics, 2012ですでに構築した方法を基に進める。②表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた測定法は、代表的なアプタマーとして知られているトロンビン結合アプタマーを用いた基礎的データを得ており、そのデータをOXT反応性アプタマーに適用する予定である。③競合イムノアッセイへの応用に関しては、すでに平成23年度にOXT EIAを構築しているため、その抗OXT抗体の代わりとしてアプタマーを適応させる計画である。また、平成25年度では、アプタマーを用いた臨床応用を計画していることから、研究に用いる臨床検体の準備を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に申告している研究費は、マイクロチップ電気泳動におけるマイクロチップまた、表面プラズモン共鳴(SPR)のセンサーチップ、競合イムノアッセイにおいては抗OXT抗体やその二次抗体、またSELEX法を含むその他の消耗品費として使用する。 また、得られた研究結果の発表を国内、または国外で行うことも予定している。研究の進捗状況によっては、アプタマー研究を行っている国内外の研究者とのミーティングなどが必要になると考え、その費用にも用いる予定である。
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Research Products
(2 results)