2013 Fiscal Year Annual Research Report
悪性中皮腫におけるATBF1の細胞内動態解析と癌幹細胞マーカー発現の有無
Project/Area Number |
23590692
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
湊 宏 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10293367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 聡子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30569091)
竹上 勉 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (10113490)
三浦 裕 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90285198)
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Keywords | 悪性中皮腫 / 癌抑制遺伝子 / ATBF1 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
まず、種々の癌幹細胞マーカーの候補とATBF1(D1-120)との二重染色を試みたが、互いにうまく発色せず、未だ成功していない。また、最近脳組織において関連性が示唆されているATM、CREBと、ATBF1との関連性を解析しようと免疫染色を試みた。CREBは、反応性中皮(以下RMC)も悪性中皮腫(以下MM)もともに核に染色され、ATMは、RMCもMMも細胞質に染色され、それぞれ有意な関連性は免疫組織化学的には認められなかった。さらに、ATBF1の別部位を認識する新規ATBF1抗体MB034とMB044を用いて免疫組織化学を行った所、興味深い結果が得られた。MB034ではMMの22例中1例を除き、すべての症例で核内にドット状の強い陽性像が認められた。RMC20例ではほとんど染色されなかった。またMB044では、MM22例中20例で、核内にびまん性に強い陽性像が認められ、細胞質により弱い染色性が認められた。RMCでは、20例のいずれも核と細胞質に弱い染色性が認められるのみであった。これらの結果より、MMとRMCとの間にはATBF1の発現量および細胞内局在に明らかに違いがあると考えられた。M034がドット状に染色された理由は明らかでない。ドットは核小体の形状に類似していることから、ATBF1は部分的に核小体に結合し、悪性腫瘍において何らかの機能を果たしている可能性がある。D1-120抗体を用いた昨年度の結果では、悪性度が高まるほど核内の発現が低下し、細胞質での発現が増加したことより、ATBF1は悪性化に伴って、蛋白の部位により細胞内局在が変化しているか、細胞内で分断されて存在している可能性が考えられる。今後はこの点に注目し、研究を行っていきたい。また、今回の研究より、MB034がMMとRMCとの鑑別に有用である可能性が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Comparative Immunohistochemical Analysis of IMP3, GLUT1, EMA, CD146, and Desmin for Distinguishing Malignant Mesothelioma From Reactive Mesothelial Cells.2014
Author(s)
Minato H, Kurose K, Fukushima M, Nojima T, Usuda K, Sagawa M, Sakuma T, Ooi A, Matsumoto I, Oda M, Arano Y, Shimizu J.
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Journal Title
Am J Clin Pathol
Volume: 141
Pages: 85-93
DOI
Peer Reviewed
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