2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590693
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
東本 祐紀 藤田保健衛生大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20569701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80288472)
井平 勝 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 准教授 (10290165)
榎本 喜彦 藤田保健衛生大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00387713)
杉山 博子 藤田保健衛生大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10387714)
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Keywords | 国際情報交換 / 米国 / ザンビア |
Research Abstract |
Human herpesvirus 6 (HHV-6) は、発見当初から2種類のspecies ( variant A, B) に分けられている。 HHV-6 Bの初感染像は、我々を含めわが国の研究者により突発性発疹 (突発疹) であることが明らかにされている。一方、HHV-6 Aに関する感染形態は未だ明らかにされていない。そこで、HHV-6 Aの初感染像、血清疫学解明を目的として、現在まで困難を極めているHHV-6 species特異的抗体測定法の確立を目指す。 宿主免疫の標的となり、且つ2種類のvirus species間で相同性の低い遺伝子について、大腸菌発現系にて蛋白発現系を作製した。精製した候補遺伝子であるU11遺伝子領域の合成蛋白を用いて、ウェスタンブロッティングにてHHV-6A, B感染患者血清75検体との反応性を確認した。 突発疹患児では81.4%でHHV-6B陽性となり、HHV-6A患者3名のうち2名がHHV-6A陽性となった (J Clin Microbiol. 2012;50:1245-1251)。 平成24年度では、新たにU11遺伝子領域の合成ペプチドを作製、ELISA法の抗原として使用た。HHV-6A、HHV-6Bに特異的なELISA系をそれぞれ6種類ずつ構築した。突発疹患児血清(HHV-6B患者血清)を用いた検討では、HHV-6B ELISAで陽性となることを確認した。これは、我々がバイオインフォマティックスを基盤として選定した候補遺伝子からの人工的蛋白発原に成功し、かつ発現蛋白が各speciesに特異的な被検者抗体を検出し得ることが明らかとなった。未だ基礎段階ではあるものの、米国感染症学会(IDWeek2012)にてポスター発表を行った。 最終年度では、血清疫学調査を実施し、HHV-6各speciesの感染状況を把握する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HHV-6型判別を行う上で、HHV-6 species間(HHV-6A, HHV-6B)で相同性の低い遺伝子領域を選定することが重要である。平成23年度では、U11遺伝子領域から組み換え蛋白を作成し、ウエスタンブロット法を確立した (J Clin Microbiol. 2012;50:1245-1251)。平成24年度では、U11遺伝子領域から、合成ペプチドを元にしたELISA系を構築した(米国感染症学学会にて報告)。よって我々がバイオインフォマティックスを基盤として選定した候補遺伝子からの人工的蛋白発原に成功し、かつ発現蛋白が各speciesに特異的な被検者抗体を検出し得ることが明らかとなった。また、新たに各species毎にELISA法を構築することが出来、当初の目標はほぼ達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
HHV-6型判別を行う上で重要なHHV-6 species間(HHV-6A, HHV-6B)で相同性の低い遺伝子領域を選定した。我々がバイオインフォマティックスを基盤として選定した候補遺伝子からの人工的蛋白発原に成功し、かつ発現蛋白が各speciesに特異的な被検者抗体を検出し得ることが明らかとなった。また、新たに各species毎にELISA法を構築することが出来、当初の目標はほぼ達成できたと考えている。 本研究では、未だに明らかになっていないHHV-6Aの初感染像、血清疫学解明を目的としている。そのためには世界規模での大規模調査が必須であり、今後は構築したELISA法を用いた血清疫学調査が望まれる。ただし、我々のpreliminaryな研究の結果、ELISA法の条件設定が困難を極めており、現状のままでは血清疫学調査として用いるのは困難と考えられる。よって、その改善策として、ELISA法の条件設定を詰める必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画を実施するうえで必要な機器は、ほとんど現有の我々の研究室にある。ゆえに研究費のほとんどを、ELISAを実施する上で必要となる消耗品の購入に充てる。 。 1.ELISA法の条件設定:ELISA法を実施する上でanti Human IgG-HRP,およびTMB発色試薬を必要とする。またELISAプレート作成代も含める。 2.海外からの検体送付費に充てる。
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Research Products
(1 results)