2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞由来マイクロパーティクルによるDIC病態早期診断法の研究
Project/Area Number |
23590694
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
野村 昌作 関西医科大学, 医学部, 教授 (20218358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 量基 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70434826)
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Keywords | 血管内皮細胞由来マイクロパーティクル / HMGB1 / リコンビナントトロンボモジュリン / SIRS / DIC / 造血器腫瘍 |
Research Abstract |
DICでは凝固促進物質である血管内皮細胞由来マイクロパーティクル(EDMP)が増加し、HMGB1とともにDICの病態形成のメカニズムにおいて重要な役割を果たしていると考えられる。本年度の研究は、造血器腫瘍に合併したDIC患者38例を対象とした臨床研究を実施した。内訳は、非急性白血病症例27例および急性白血病症例11例である。血小板数・CRPはいずれの群においてもリコンビナントトロンボモジュリン(rTM)治療後に有意な改善がみられた。PT・APTTも治療後に有意に改善したものの、両群の間で相違はみられなかった。一方、フィブリノゲンは、非急性白血病群では治療後に低下したのに対し、急性白血病群では治療後に上昇傾向を示した。しかしいずれの群も、治療後にフィブリノゲンはほぼ正常範囲内に回復した。またFDP・D-dimerおよびATIIIに関しても、いずれの群も治療後に有意な改善が認められた。血小板数の改善に関しては、rTM投与前に比べて投与後に血小板数が1万以上増加した症例が、非急性白血病群では27例中12例、急性白血病群では11例中9例であった。一方、出血症状に関しては、非急性白血病群では12例中7例、急性白血病群では9例中6例であった。さらに、これら造血器腫瘍患者を対象に、HMGB1とサイトカイン・ケモカイン・EDMPを測定したところ、これらの測定値に有意な相関関係がみられ、造血器腫瘍DICにおいては、HMGB1とEDMPが重要な役割を果たしていると考えられた。またrTM療法により、HMGB1を含めサイトカイン・ケモカイン・EDMPの有意な改善が観察された。以上より、DIC早期診断法として、HMGB1とEDMPの測定が極めて重要であるという結論に至った。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Role of hematopoietic stem cell transplantation for relapsed acute promyelocytic leukemia: A retrospective analysis of JALSG-APL97.2013
Author(s)
Fujita H, Asou N, Iwanaga M, Hyo R, Nomura S, Kiyoi H, Okada M, Inaguma Y, Matsuda M, Yamauchi T, Ohtake S, Izumi T, Nakaseko C, Ishigatsubo Y, Shinagawa K, Takeshita A, Miyazaki Y, Ohnishi K, Miyawaki S, Naoe T; Japan Adult Leukemia Study Group.
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 104
Pages: 1339-1345
DOI
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