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2012 Fiscal Year Research-status Report

新規タンパク質Cablesが関与する抗腫瘍メカニズム

Research Project

Project/Area Number 23590695
Research InstitutionKobe Tokiwa University

Principal Investigator

坂本 秀生  神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (30225817)

KeywordsCables / 腫瘍抑制効果 / アポトーシス
Research Abstract

Cables発現調整に関わる機能解明を行うため、当初計画に従ってCablesプロモーター活性の変化から研究を継続している。三種類の卵巣がん由来培養細胞を用いて24年度は研究を遂行し、ヒト卵巣がん由来の培養細胞の中でも胃がんからの転移腫瘍のクルッケンベルグ腫瘍由来の細胞にて、特徴的な挙動を確認した。具体的にはForskolinによるAキナーゼ賦活化によってプロモーター活性が上がり、cAMPの関与する結果が示された。このプロモーター活性の変動は、クルッケンベルグ腫瘍由来細胞にのみ認められた点である。
しかしCablesプロモーター領域として転写開始点から上流2千塩基を転写因子データベースで検索したところ、典型的なcAMP応答性の配列は確認できず、細胞膜透過性のあるジブチリルcAMPによってクルッケンベルグ腫瘍由来以外の細胞でプロモーター活性が変動しなかった点より、詳細なシグナル伝達系を明らかにすべく現在も研究を進行中であるが、この知見をアメリカ臨床化学会年次総会にて公表予定である。
Cablesによるアポトーシス誘導を確認するため、Cables発現量を任意に調整できるテトラサイクリン発現誘導システムを構築しようと、Cables発現量の少ない細胞にて、発現量を調整できるようリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子を恒常発現し、あわせてテトラサイクリン応答因子も発現する、異なる遺伝子が二重に恒常発現する細胞株を樹立しようとしている。この過程でリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子の恒常発現細胞株を作成途中であり、当初の予定通りに24年度内に二重恒常発現細胞株の完成まで至らず、やや計画に遅れが生じている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

Cables発現調節機構の解明に関しては、cAMPが何らかの機構で関与している現象を得たが、データベースの検索では典型的cAMP応答性の配列が転写開始点から上流2千塩基のCablesプロモーター領域に見当たらず、新たな刺激経路である可能性も含め興味深い現象である。また、この挙動がヒト卵巣がん由来の培養細胞の中でも胃がんからの転移腫瘍のクルッケンベルグ腫瘍由来の細胞のみに見られた点から、腫瘍転移に関わるなんらかの機構の知見につながる可能性もあり、視点を広げて精査している。
多量な外来遺伝子導入のストレスにより起こすアポトーシス現象を避けるため、Cablesを細胞内で発現調節し、細胞内においてCablesを過剰産生することによりCablesが関与するアポトーシス経路を明らかにしようとしている。そのための細胞内遺伝発現調整システム構築のため、異なった遺伝子の二重恒常発現細胞株を試みているが、予想外に時間がかかっており、当初の予定通りに24年度中に内在性Cablesが惹起するアポトーシスモデルの作成にまで至ることが出来なかった。
Cablesが関わるアポトーシス機構解明の点では本研究が当初の予定より、やや遅れれている点を認めざるを得ない。

Strategy for Future Research Activity

Cables発現調整に関わる因子の同定は、24年度に得たcAMPの関与する経路の精査を行い、Cables発現調整機構を明らかにする。Cablesプロモーター活性の変化から、Cables発現の転写調整因子が結合する部位を同定後、該当部に結合する物質を同定する。具体的には複数の転写因子データベースを用い、該当部位へ結合が予想されるヒト転写因子群の標的遺伝子の候補を絞り、クロマチン免疫沈降法による解析を計画している。
ChIP法では、ホルマリンにて生細胞を処理し、タンパク複合体をDNAに結合した状態で固定する事が可能である。その後、候補タンパクへの抗体を用いて、タンパクDNA複合体を免疫沈降する。沈降物をテンプレートにし、23年度の研究成果を元に転写調整物質が結合する部位を含んだ領域のDNAを増幅するプライマーを設計しPCRを行う。増幅バンドの有無から用いた抗体の抗原タンパクへの結合の有無を知ることが出来る。
Cablesが関与するアポトーシスに関しては、平成23年度から継続している、テトラサイクリンによるタンパク質発現誘導システムを完成を試みるが、この系が完成しないことも鑑み細胞外からCables遺伝子導入を行う従来方での過剰発現も行い、アポトーシスによる挙動を確認する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用予定の研究費は大部分がプロモーター活性測定用試薬、細胞培養の培地や血清、ウエスタンブロット用ゲルやメンブレン等の消耗品てある。
また、研究成果を海外に向けて発信するため、演題がアクセプトされたアメリカ臨床化学(American Association for Clinical Chemistry)へ参加するための旅費や参加費用も計画している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Promoter  of  Cables  1,  a  cyclin-­dependent  kinase  binding  protein  affected  by  cyclic  AMP  pathway2013

    • Author(s)
      Hideo Sakamoto
    • Organizer
      2013 American Association for Clinical Chemistry Annual Meeting
    • Place of Presentation
      Houston, Texas, USA
    • Year and Date
      20130728-20130801

URL: 

Published: 2014-07-24  

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