2013 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病前駆段階の血清学的診断とビタミンDによる進行阻止法の開発
Project/Area Number |
23590697
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
松永 洋一 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80239053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 みどり 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (00389181)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 教授 (90291822)
上原 吉就 福岡大学, 医学部, 講師 (70373149)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドベータ蛋白 / ビタミンD2 / ビタミンD3 / オリゴマー形成 / 蛋白凝集 / ベータシート形成 / プリオン蛋白 |
Research Abstract |
昨年度までの研究成果で、健常者とMCIでは血中の1,25(OH)2VD3の有意な濃度差が認められなかったが、Alzheimer病の女性病患者では、健常者に比べ有意な濃度上昇を認めた。 更に、血中25(OH)VD3濃度は、MCI, Alzheimer病患者いずれも、健常者に比べ有意な濃度低下が認められた。これまでの報告では、血中の1,25(OH)2VD3濃度期関する報告例はあるが、血中25(OH)VD3濃度に関し有意差がある報告例は見当たらない。今回の結果より、血中25(OH)VD3濃度がAlzheimer病患者の新たな血液学的診断法として有用であることが示された。しかしながら、in vitoでの実験で、25(OH)VD2は、25(OH)VD3と異なり、アミロイドベータ蛋白のオリゴマー形成、凝集性を促進させることが判明した。また、同様に脳内蛋白変性疾患であるプリオン病の責任蛋白であるプリオン蛋白の凝集性に25(OH)VD2が関与するか調べたところ、アミロイドベータ蛋白の場合とは異なりオリゴマー形成、凝集性を抑制することが判明し、プリオン病の新規薬としての可能性を示唆した。 今後、25(OH)VD2に対するプリオン蛋白とアミロイドベータ蛋白の親和性部位の相異点を明らかにすることで、脳内蛋白質の異常凝集性を蛋白構造学的に解明する手段として25(OH)VD2が有用であること考えられる。また、この親和性は画像診断的にアミロイド蛋白のトレーサーとして臨床応用の可能性もあると考えられる。
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Research Products
(2 results)