2012 Fiscal Year Research-status Report
酸感受性イオンチャネルをターゲットにした関節痛の新規治療法の開発
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23590713
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
池内 昌彦 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (00372730)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
研究計画に沿って、前年度までに確立したラット関節痛モデルと行動学的疼痛評価法を用いて平成24年度の研究を行った。研究内容として、関節内に分布する酸感知機構(ASIC1, ASIC3, TRPV1)に対するブロッカーを関節内注射し、疼痛抑制効果がみられるブロッカーの同定と適切な投与量、投与期間を検討した。結果、ASIC3ブロッカー(APETx2)が他のブロッカーと比べて疼痛抑制効果が高く、APETx2濃度2.5μg/kgで関節痛が完成する前の段階で先行投与する方法が最も優れていた。 本研究で得られた結果を元に、ASIC3を介した非炎症性疼痛モデルとして、酸の関節内繰り返し投与による長期間持続する酸惹起性慢性関節痛モデルを新たに作製した。 ヒアルロン酸を担体とするブロッカー注入法は、技術的に可能であったものの、行動学的疼痛評価において担体を利用する優位性を認めなかった。 ここまでの本研究の結果は、関節痛に対するASIC3をターゲットとした革新的治療法の基盤となる重要な意義をもつと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロトコルの小さな変更点はあったものの、概ね計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
関節痛モデルとして、現在主に使用している変性モデルのほかに、炎症性疼痛モデルや酸惹起性慢性関節痛モデルを追加してASICブロッカーの有効性を確認する。またブロッカー投与に伴う関節支配神経に発現する疼痛関連分子の変化および関節構成体に対する影響を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物、抗体、ASICブロッカーなどに使用予定である。
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