2012 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛発症におけるGPR103-26RFa,QRFP系の役割
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23590715
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
棚平 千代子 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (20555776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 達郎 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (20200818)
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Keywords | 神経伝達物質 / GPR103 / 26RFa |
Research Abstract |
本年度は、本研究の準備のための基本的手技の充実にあてた。 本研究を遂行するためには、ラットの中脳水道周囲灰白質(periaqueductal grey: PAG)、青班核(Locus coeruleus: LC)、吻側延髄腹側部(rostal ventromedial medulla: RVM)などの脳内神経核へ直接26RFa, QRFPを投与する必要がある。このために、ラットステレオ手術の方法を用いて、適切な部位にカニュラ先端を留置する必要がある。平成24年度は、ステレオ手術の技術の習得に加え、この技術を用いてマイクロダイアリシス用のカニュラを上記PAG, LC, RVMに留置する技術の確立を目指した。この技術を用いて26RFa, QRFPによりPAG, LC, RVMからのグルタミン酸・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の放出に対する影響も検討する予定としている。さらに、マイクロダイアリシスの技術確立とともに、高速液体クロマトグラフィーを用いてのグルタミン酸・ノルアドレナリンなど濃度測定技術の確立を行う必要があった。 本年度は、マイクロダイアリシス法の確立と、高速液体クロマトグラフィーを用いた計測技術の向上に多くの時間を使用した。平成25年度は、これらの技術を用いて26RFa, QRFPを脳内へ選択的に投与しその鎮痛効果を検討すると共に、マイクロダイアリシス法を用いて神経伝達物質の放出に対する影響を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに行えていることは、本実験を行うための基本的な技術の確立であった。技術確立に、予定していた以上に時間がかかってしまった。平成25年度は、今までに確立した技術を用いて、すぐに実験データをとることが出来る状態となっている。今後は研究のスピードをあげて、年度内に全ての実験を行い、成果を発表すると共に、学会誌に投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は研究の最終年度であり、予定していた研究を全て行うことを目標としている。すでに技術的問題は全てクリアできており、障害となるものはない。ラットを用いて、26RFa・QRFPの役割を、ホルマリンテスト・神経障害性疼痛モデルラットを用いて行動学的、さらにマイクロダイアリシスを用いた検討をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は最終年度であり、予定していた研究を行う。 ラットにステレオ手術の方法を用いて26RFa・QRFPをPAG, LC, RVMへ選択的に投与する。ホルマリンテスト・神経障害性疼痛モデルラットを用いて、痛みに対する効果を検討する。 さらに、マイクロダイアリシスのカニュラをPAG, LC, RVMへ選択的に留置する。26RFa・QRFPを静脈内投与し、PAG, LC, RVMからのグルタミン酸・ノルアドレナリン放出に対する効果を検討する。
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