2013 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス負荷により痛覚過敏が生じる脳メカニズムの解明
Project/Area Number |
23590717
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
井辺 弘樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60326353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 晃久 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20225022)
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Keywords | ストレス / 疼痛学 / 下行性疼痛調節系 |
Research Abstract |
1.慢性ストレス後の痛覚過敏の発現・維持に下行性疼痛調節系からのセロトニン入力が関与していることを明らかにするため、RatTph2 遺伝子断片(もしくはスクランブル配列)を含む short hairpin RNA (shRNA) プラスミドをエレクトロポレーション法を用いてラットの吻側延髄腹内側部(RVM)に遺伝子導入を試みた。刺激電極の形状を変化させ、電気刺激の加え方を改善し、適切な刺激条件を探っている。 2.慢性ストレス負荷後、脳を摘出し、グリア細胞関連 タンパク質( GFAP, CD11b, S100beta ) の Western blot を用い、タンパク量を測定しコントロール群と比較した。亜急性、慢性ストレス負荷後、吻側延髄腹内側部(RVM)において GFAP の有意な減少が確認された。さらに、慢性ストレス後、ラットの RVM のGFAPレベルと機械的感覚閾値の間に正の相関関係が認められた。免疫組織染色において、GFAP の減少は大縫線核(NRM)において著明であることが明らかとなった。これら結果は、第106回近畿生理学談話会において報告し、論文として掲載された(Neuroscience 241:10-21, 2013)。 3.コントロール、強制水泳ストレス負荷ラットの足底に CFA を注射し、大脳皮質での p-CERB、c-fos の発現を免疫組織学的に調査した。強制水泳ストレス負荷により、前部島皮質で p-CERB および c-Fos の発現が有意に増加することが明らかとなった。さらに、強制水泳ストレス負荷ラットの足底への CFA の注射は、痛覚過敏の有意な増強が確認され、島皮質での c-Fos の発現の有意な減少が明らかとなった。これら結果は、第91回日本生理学会大会において報告し、論文として掲載された(Neuroscience 259:1-11, 2014)。
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Research Products
(8 results)