2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590725
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
末冨 勝敏 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, その他 (70235836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 真理 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60380325)
井上 真輔 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80403905)
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Keywords | マクロファージ / CGRPの発現 / コラーゲン線維 / ミエリン鞘の断片化 / マイクロアレイ法 / 細胞外マトリクス分子 |
Research Abstract |
手術後に長期間持続する創部周囲の痛みは難治性の経過を辿り、患者の日常生活の質を著しく低下させる。そこで手術後の瘢痕性疼痛が持続するメカニズムを明らかにするために、ラットの後肢足底に癒着性瘢痕を作製し、瘢痕に起因した疼痛が3ヵ月以上遷延する動物モデルを独自に構築し、手術後の瘢痕組織では1)マクロファージは1~7日目において損傷部(真皮或いは真皮深部)に多数集積していること、2)筋線維芽細胞は、その集積が処置後7日目に真皮深部において認められること、3)CGRPの発現は、1~7日目に瘢痕側で特に表皮全層に強く発現し、真皮乳頭から表皮に伸びるCGRP陽性繊維も認められること、4)長期的にはコラーゲン線維が真皮層から筋層まで発達し線維芽細胞が集積していること、5)後根神経節より近位のL5脊髄神経においては神経線維のミエリン鞘の断片化がみられること、6)脊髄(L5髄節高位)の後角におけるc-FOS陽性神経線維については手術側と非手術側の差を認めないことなども示してきた。25年度は本モデルをマウスに移行し、モデル動物が両側性に痛覚過敏を長期に引き起こすことを確認すると同時に、痛覚閾値の低い術後1週間と2週間に、足底の筋肉組織及び脊椎神経節(DRG、L2~L5)を採取して、組織のtotalRNAを抽出し、マイクロアレイ法による解析を行った。現在はこれによる変動発現遺伝子の変化の解析結果を踏まえて、蛋白質レベルで比較検討を開始している。今後は、変動のある細胞外マトリクス分子について、遺伝子欠損マウスを活用し、機能解析を行う予定である。
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