2011 Fiscal Year Research-status Report
神経因性疼痛におけるミクログリアによる脱髄制御のメカニズム
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23590727
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
前田 光代 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (40122080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 文彦 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30067178)
上村 守 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (30351472)
竹村 明道 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (00155045)
戸田 伊紀 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20197891)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 神経因性疼痛 / ミクログリア / リゾホスファチジン酸 / 脊髄後角 |
Research Abstract |
神経因性疼痛モデルの脊髄後角に遊走浸潤してくる活性化ミクログリアの機能役割については不明な点が多いが、申請者はこれまで、活性化ミクログリアが有髄神経の接着取り込み脱髄をひきおこし、さらに神経因性疼痛の発生機序に深く関与している可能性を見出した。そこで、ミクログリアによる脱髄を引き起こす物質を同定し疼痛緩和減少を示す治療効果のあるものを探す目的で、その候補として、末梢神経レベルで、痛みと脱髄の関与が示唆されているリゾホスファチジン酸のレセプター(LPA1)の動態について検索を開始した。疼痛モデルは脊髄神経L5の末梢枝の結紮切断により作成、術後7日、14日の時点で脊髄の試料を採取している。現在、凍結標本、パラフィン標本などでリゾホスファチジン酸のレセプターの免疫染色の条件設定を実施している段階である。市販の抗体2種類(abcam,lifespan bioscience)を使用しているが、賦活化が必要でまだ完全に条件が確立されていないので、確実なことは言えないが、LPA1抗体陽性反応は脊髄ではグリア細胞に発現が認められている。発現グリア細胞の種類についてはアストロサイト、ミクログリア の可能性があり二重免疫染色などによる確認が必要である。発現の増減に関してはまだはっきりとは結果が得られていないのと、western blotting などによる確認が必要であるが手術側で、若干増加傾向にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リゾホスファチジン酸のレセプター(LPA-1)は数社から購入し免疫染色に供しているが、手持ちの抗体はいずれも通常の方法では染まらず抗原の賦活化が必要で、電子レンジ、各種の抗原賦活剤の使用などで現在条件設定に苦慮しているため予定より進行が遅れている。将来、免疫電顕にも使用したいと考えているが、現在手持ちの抗体では難しいことが予想されるので、さらに他社の抗体も購入し、比較検討し免疫染色あるいはwestern blotting に使用可能な抗体を見つけることが先決である。
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Strategy for Future Research Activity |
リゾホスファチジン酸レセプター抗体(LPA-1)ををさらに数社から購入、免疫染色条件を検討し使用可能な抗体を探す。光顕レベルあるいは電顕レベルの標本を作成する。タンパクの量的増減に関してはwestern blotting による検討を予定している。発現細胞を二重免疫蛍光染色により同定する。さらにmRNAレベルの発現動態についても検索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
神経因性疼痛モデルマウスの作成、使用可能なリゾホスファチジン酸レセプター抗体(LPA-1)を購入し、免疫染色、western blotting を実施し発現細胞の同定、タンパク量の増減の確認さらに免疫電顕による詳細な局在部位の同定を行う。ISH, RT-PCR法にてmRNAの発現動態を検索する。LPA-1アンチセンスオリゴヌクレオチドにて神経因性疼痛モデルマウスを処置することで、ミクログリアの遊走と脱髄現象が減少するか検証する。
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