2012 Fiscal Year Research-status Report
手術後創部痛の完全克服を目的とした埋め込み式持続鎮痛ゲルの開発
Project/Area Number |
23590728
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
海堀 昌樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (30333199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 誠二 関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
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Keywords | 術後鎮痛 / 鎮痛剤 / 除法効果 / 患側坐骨神経ブロックモデル |
Research Abstract |
新規疼痛モデルの開発を行った。患側坐骨神経ブロックモデルの開発。 目的)足底局所の徐放性鎮痛剤の投与は漏れの防止に密な連続縫合や、ダーマボンド塗布などが必要で、鎮痛持続効果の正確な評価の妨げになっていた。そこで、徐放剤の比較検討のため、足底筋は5-0ナイロン2針結節縫合のみで、ダーマボンドは使わず、患側の坐骨神経のブロックを行い評価する。 術式)ラットをネンブタール腹腔内投与で麻酔して、左大腿骨部を毛剃りする。腹臥位にして、消毒後、大腿骨上の皮膚を1cmほど切開し、皮下を剥離し、大腿二頭筋を露出する。大腿二頭筋間溝を確認し(セッシでテンションをかけるとよく見える。筋膜状上からも大腿骨を触り確認し、より尾側を間違って剥離しないように)、筋膜を切開し、筋頭間を鈍的に剥離すると、白い坐骨神経が確認できる。坐骨神経をモスキート鉗子ですくい、坐骨神経周囲組織に麻 酔薬を局注し、筋膜は縫合せずに、大腿部皮膚を5-0ナイロン2針で縫合閉鎖する。その後、続けて、同側の足底と足底筋を切開して、5-0ナイロンで2針縫合する。ダーマボンド等は塗らない。von Frey filament test にて切開前、術後10日、1,2,3,4,5,7,9,14日に評価する。 【結果】 合併症や死亡なし。創部のし開や感染なし。局所麻酔剤使用により患側坐骨神経ブロックモデルでの良好な疼痛再現モデルが完成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット術後痛モデルを用いた実験に関してはほぼ予定通りに実験をすることができ、期待された結果を得ることができた。新規疼痛モデルである患側坐骨神経ブロックモデルの開発に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
患側坐骨神経ブロックモデルを確立する。その後、鎮痛薬含有生体吸収性ゲルを開腹部の筋間に埋込み、皮膚を縫合し、切開前、 切開後、創傷が完治する2~4週間、疼痛閾値の変化を経時的に調べる。術後痛モデルと同様に徐放性ゲルの最適化を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ラット使用による消耗品費用が主な研究費となる予定。
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