2013 Fiscal Year Annual Research Report
ATP感受性カリウムチャネル開口薬の鎮痛作用に関する行動薬理学的研究
Project/Area Number |
23590732
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
原西 保典 産業医科大学, 医学部, 講師 (90449942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 幸治 産業医科大学, 医学部, 講師 (20331001)
寺田 忠徳 産業医科大学, 医学部, 助教 (10399206)
中村 元洋 産業医科大学, 医学部, 助教 (30461578)
佐多 竹良 産業医科大学, 医学部, 教授 (60128030)
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Keywords | 行動薬理学 / 脳室内投与 / 鎮痛薬 |
Research Abstract |
ATP感受性カリウムチャネル(KATP)が活性化すると神経細胞の興奮性は低下する。中枢神経系でKATP開口薬はシナプス前膜で主要な疼痛伝達物質であるグルタミン酸の遊離を抑制し、シナプス後膜ではNMDA型やAMPA型グルタミン酸受容体の機能を抑制するため、KATP開 口薬が抗侵害作用をもつ可能性がある。構造的に異なるKATP開口薬のうち、Kir6.2/SUR1に特異的に作用するdiazoxide、SUR2に特異性が高いpinacidil、Nicorandilの神経障害性疼痛と急性熱刺激に対する脳での抗侵害作用について本年度検討した。Bennett and Xieの方法により、6週齢の雄Sprague-Dawley(SD)ラットを麻酔下に大腿骨上の皮膚を切開し、左側の坐骨神経を4.0-silk糸で4箇所緩く結紮し、CCIラットを作製した。脳室内投与を行うため右側脳室にガイドカニューレを頭蓋骨表面から4.0mm留置した。処置1週間後、患肢に機械的痛覚過敏、熱的痛覚過敏、冷的痛覚過敏が発現した。熱的痛覚過敏(plantar test)、機械的痛覚過敏(von Frey test)、冷的痛覚過敏(cold plate test)に対する薬物の作用を評価した。各薬物は1,10,50mg/ml DMSO溶液を10microL投与した。脳室内投与により全ての薬物は機械的、冷的痛覚過敏を用量依存性に抑制した。熱的痛覚過敏に対してはほとんど影響を与えなかった。正常ラットで急性熱刺激に対する影響をホットプレートテストにより検討した結果、Nicorandilは用量依存性に逃避反応の潜時を延長させた。これらの結果からKATP開口薬は脳内で急性痛及び神経障害性疼痛に対して鎮痛作用を発現する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)