2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590744
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
市場 正良 佐賀大学, 医学部, 教授 (60184628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 敏弘 佐賀大学, 総合分析実験センター, 教務員 (20186852)
上野 大介 佐賀大学, 農学部, 講師 (60423604)
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Keywords | シックハウス / ホルムアルデヒド |
Research Abstract |
【目的】我々は平成16年より市内小中学校の教室内気中VOCの測定を行っているが,濃度の高い教室での発生源は不明であった。そこで,「柳沢センサー・ホルムアルデヒド」を用いて、ホルムアルデヒド濃度の高かった教室における発生源の検討を行った。 【方法】測定は,7月下旬から8月にかけて市内58小中学校の教室内に、拡散式サンプラーを設置し、24時間のVOCを吸着させた。測定教室は,各学校から2教室が選定されている。サンプラーを回収し、VOC類を測定した。さらに、ホルムアルデヒド濃度の高かった教室の発生源を「柳沢センサー・ホルムアルデヒド」を用いて測定した。 【結果】ホルムアルデヒドは、全測定教室のうちH23年は26%,H24年は26%の教室で指針値を超えた。最大値は,23年は296μg/m3,24年は204μg/m3であった。平均は23年は70μg/m3,24年は74μg/m3であった。アセトアルデヒドは、24年は2室で指針値を超えた。部屋別では,音楽室で高い傾向が見られた。ホルムアルデヒドが,高濃度であった4室で柳沢センサーで発生源を探索した。その結果,壁や天井に張られている防音ボードからの発生が確認できた。その他のVOC類は、一部の教室でトルエン,キシレン,エチルベンゼン,2エチルヘキサノールが,比較的高濃度で検出された。 【考察】学校保健安全法では測定は,児童生徒のいない時間では窓を閉めて行う。夏季は、窓閉鎖時には気温が35℃近くになり,ホルムアルデヒドは高値を示す。この結果をどう評価すべきか。結果は,潜在的な問題点を示しているが,指針値を超えると,健康上の問題が心配という意見が出る。比較のため同じ部屋を窓開放の状態で測定すると,10μg/㎥以下となり,換気の重要性が確認できる。一方、他のVOC、特に高濃度の2エチルヘキサノールの発生源の特定は,未完である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年に続き,発生源の探索を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度も同様の調査を行い,発生源の特定を行う。換気の影響を数量化するため,室内外のオゾンの分析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サンプリング,分析の消耗品,論文化の費用として使用する。
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Research Products
(3 results)