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2011 Fiscal Year Research-status Report

イムノクロマト法により数種の異なる食中毒を一度に迅速鑑別診断する

Research Project

Project/Area Number 23590749
Research InstitutionUniversity of Hyogo

Principal Investigator

北元 憲利  兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (70145928)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 加藤 陽二  兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30305693)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords食中毒 / 単クローン抗体 / 迅速簡便鑑別診断法 / イムノクロマト法
Research Abstract

種々の食中毒を同時に簡便(検体を加えるだけで)・迅速(10~20分で分かる)に鑑別診断ができれば、食の安心・安全確保、また早期発見・早期予防・早期治療に役立つことができる。検出法としては、迅速・簡便なイムノクロマト法やマイクロアレイ法が考えられる。ただし、これらの方法を行うには単クローン抗体などの特異的かつ感度のよい抗体が必要であるため、必ずしもあらゆる微生物の検出に使われているわけではない。本研究では食中毒の原因となるウイルスおよび細菌に対する単クローン抗体を作製し、網羅的・体系化することにより、10種の食中毒を一度に、迅速・簡便・安価・多検体鑑別診断可能な検査法を開発することが目的である。すでに実用化したもの(ノロウイルスのイムノクロマト法)を除き、初年度(本年度)は、単クローン抗体の作製に取り組み、できるだけ多くの抗体を揃えることに努力した。 1.腸管出血性大腸菌の産生するベロ毒素、および黄色ブドウ球菌の持つエンテロトキシンに対する抗体については、抗原的解析を行い、イムノクロマトに有用であることが分かった。2.病原性大腸菌のもつ易熱性毒素、腸炎ビブリオの持つ耐熱性溶血毒、カンピロバクターのもつ外膜蛋白に対する抗体については、数種の菌を用いてその特異性を確認した。3.サルモネラに対する抗体が得られたが、リポポリサッカライド(内毒素)に対する抗体であり、実用的ではないことが分かった。また、ウエルシュ菌に対するコラゲナーゼおよびフォスフォリパーゼに対する抗体を得たが、いずれもセレウス菌とも交叉反応を示したため特異性がなく実用的ではないことが分かった。4.今回新たに樹立した抗体として、セレウス菌に対するセレウリドがあるが、特異性があること分かった。5.サポウイルスに対する抗体も得られており、抗原的解析をその有用性を解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

以下のように、全体的にみれば、はおおむね計画通りに進行しているが、菌によっては、継続的、段階的に検討していく必要がある。 1.抗ベロ毒素(腸管出血性大腸菌)抗体および黄色ブドウ球菌の抗エンテロトキシン抗体については、イムノクロマト法への実用化のめどがついた。2.病原性大腸菌の易熱性毒素、腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒、カンピロバクターの外膜蛋白に対する抗体については、特異的な抗体であることが分かり、今後、実用化への期待がもてる。3.新たにセレウス菌に対する抗セレウリド抗体を得ることができた。4.しかし、サルモネラおよびウエルシュ菌に対する抗体は得られたものの実用的ではないことが分った。 すでに得られた抗体についても、抗原的解析、抗体の評価と有用性を検討し、食材や野外材料を使った検出法の開発など、また、よい抗体が得られない場合は再度作製を試みなければならない。

Strategy for Future Research Activity

今後、未解析の各種抗体および新たに得られた抗体について、競争ELISA法、ウエスタンブロット法、二次元電気泳動法などでその解析を行う。エピトープマッピングなどの抗原的解析も行う。抗体の有用性については、感度と特異性を調べる必要があり、PCRを使った遺伝子学的検査法と比較検討する。また、野外材料を使って実際応用可能かどうか検討する。ELISA法による有用性を検討したのち、さらに発展させて、イムノクロマト法による診断法の開発を試みる。これまでに手がけてきたノロウイルスの検出法を踏襲する。特別な器具も必要とすることなく、材料や試料を滴下するだけでバンド形成の有無、あるいは発色の有無を可視判定できるようにしたい。具体的には以下のようである。1.現在、サルモネラに対しては精製鞭毛抗原を免疫源として、また、ウエルシュ菌に対しては培養上清(何らかの外毒素をターゲット)を免疫源として抗体作製に再挑戦する。2.病原性大腸菌の易熱性毒素、腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒、カンピロバクターの外膜蛋白に対する抗体については、イムノクロマト法にて実用化の検討を行う。3.新たに得られたセレウス菌に対する抗セレウリド抗体の有用性と実用化の検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度に残額(293,814円)が生じた理由としては、超低温フリーザー(798,000円)を購入する予定にしていたが、同様の性能を持つ他社の安価な超低温フリーザー(マイバイオVT-208、620,340円)を購入したため差額が生じた。また、旅費(申請50.000円)を予定していたが、別途の費用で賄うことができ、使用しなかったためである。23年度の残額は、フリーザーの中に入れて使用する仕分けボックス(トレーTN-208、12,800円x6個)等の購入や感染症学会の(福岡で11月に開催予定)旅費として使用する予定である。24年度の物品費、人件費・謝金およびその他は、23年度と同様、交付額の範囲でそれぞれ使用したい。 24年度の研究費については、実験の性質上、昨年度とほぼ同様に遂行する予定であるため、特に研究計画の変更や課題はない。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Comparison of human blood concentration of collectin kidney 1 and mannan-binding lectin2012

    • Author(s)
      Yoshizaki T., Ohtani K., Motomura W., Jang SJ., Mori K., Kitamoto N., Yoshida I., Suzuki Y., Wakamiya N
    • Journal Title

      J.Biochem

      Volume: 151 Pages: 57-64

    • DOI

      10.1093/jb/mvr114

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Broadly reactive monoclonal antibody with several recombinant sapovirus-like particles (SV-VLPs)2011

    • Author(s)
      Noritoshi Kitamoto
    • Organizer
      International Congress of Virology
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • Year and Date
      2011年9月15日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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