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2012 Fiscal Year Research-status Report

イムノクロマト法により数種の異なる食中毒を一度に迅速鑑別診断する

Research Project

Project/Area Number 23590749
Research InstitutionUniversity of Hyogo

Principal Investigator

北元 憲利  兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (70145928)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 加藤 陽二  兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (30305693)
Keywords食中毒 / 単クローン抗体 / イムノクロマト法
Research Abstract

種々の食中毒を同時に簡便(検体を加えるだけで)・迅速(10~20分で分かる)に鑑別診断ができれば、食の安心・安全確保、また早期発見・早期予防・早期治療に役立つことができる。検出法としては、迅速・簡便なイムノクロマト法やマイクロアレイ法が考えられる。ただし、これらの方法を行うには単クローン抗体などの特異的かつ感度のよい抗体が必要であるため、必ずしもあらゆる微生物の検出に使われているわけではない。本研究では食中毒の原因となるウイルスおよび細菌に対する単クローン抗体を作製し、網羅的・体系化することにより、10種の食中毒を一度に、迅速・簡便・安価・多検体鑑別診断可能な検査法を開発することが目的である。すでに実用化したもの(ノロウイルスのイムノクロマト法)を除き、本年度は、よりよい単クローン抗体の樹立に取り組み、抗原的解析や抗体の特異性を確認した。
1. 本年度は新たに、サルモネラの鞭毛蛋白に対する抗体およびセレウス菌の持つセレウリドに対する抗体を得ることができた。病原性大腸菌の持つ易熱性毒素、腸炎ビブリオの持つ耐熱性溶血毒、カンピロバクターの持つ外膜蛋白に対する抗体とともに抗原的解析および特異性を確認した。
2. 腸管出血性大腸菌の産生するベロ毒素および黄色ブドウ球菌の持つエンテロトキシンに対する抗体のイムノクロマト法への実用化への可能性を示した。
3. ウエルシュ菌の持つアルファ毒素に対する抗体を得て、現在抗原的解析を行っている。
4. 広く交差性を示すサポウイルスに対する抗体も得られ、抗原的解析およびその有用性を検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(理由)全体的にみれば、おおむね計画通りに進行しており、次年度は、解析された抗体のイムノクロマト法への応用を試みる必要がある。
1. 抗ベロ毒素(腸管出血性大腸菌)抗体および黄色ブドウ球菌の抗エンテロトキシン抗体については、イムノクロマト法への実用化のめどがついた。
2. 病原性大腸菌(易熱性毒素)、腸炎ビブリオ(耐熱性溶血毒)、カンピロバクター(外膜蛋白)、セレウス菌(セレウリド)およびサルモネラ(鞭毛蛋白)に対する抗体については、特異的な抗体であることが分かり、今後、実用化への期待がもてる。
3. ウエルシュ菌に対する抗体は得られたものの実用的ではないことが分ったので現在新たな抗体を作製している。
以上のように、全体的にみれば、はおおむね計画通りに進行しているが、菌によっては、継続的・段階的に検討していく必要がある。ほとんどの抗体については、特異性などは確認できたので、今後は、抗体の評価と有用性を検討し、食材や野外材料を使った検出法の開発などを試みなければならない。

Strategy for Future Research Activity

1. 病原性大腸菌(易熱性毒素)、腸炎ビブリオ(耐熱性溶血毒)、カンピロバクター(外膜蛋白)、セレウス菌(セレウリド)およびサルモネラ(鞭毛蛋白)に対する抗体については、特異的な抗体であることが分かり、今後、イムノクロマト法にて実用化の検討を行う。
2. ウエルシュ菌に対する抗体は得られたものの実用的ではないことが分ったので現在新たな抗体を作製している。
3. 今後、未解析の各種抗体抗体について、競争ELISA法、ウエスタンブロット法、二次元電気泳動法などでその解析を行う。エピトープマッピングなどの抗原的解析も行う。抗体の有用性については、感度と特異性を調べる必要があり、PCRを使った遺伝子学的検査法と比較検討する。また、野外材料を使って実際応用可能かどうか検討する。ELISA法による有用性を検討したのち、さらに発展させて、イムノクロマト法による診断法の開発を試みる。これまでに手がけてきたノロウイルスの検出法を踏襲する。特別な器具も必要とすることなく、材料や試料を滴下するだけでバンド形成の有無、あるいは発色の有無を可視判定できるようにしたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度に残額(28,668円)が生じた理由としては、3月の学会旅費として使用する計画であったが、別途支給によりできたため残金として残った。次年度は最終年度となるので残額は物品費として使用する予定である。25年度の物品費、人件費・謝金およびその他は、23および24年度と同様、交付額の範囲でそれぞれ使用したい。
25年度研究費については、実験の実質上、昨年度と同様に遂行する予定であるため、特に研究計画の変更や課題はない。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Novel monoclonal antibodies broadly reactive to human recombinant sapovirus-like particles2012

    • Author(s)
      Kitamoto N., Oka T., Katayama K., Li T-C., Takeda N., Kato Y., Miyoshi T., Tanaka T
    • Journal Title

      Microbiol. Immunol

      Volume: 56 Pages: 760-770

    • DOI

      10.1111/j.1348-0421.2012.00499.x

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] サポウイルスのgenogroupに特異的な単クローン抗体の作製とその解析2012

    • Author(s)
      北元憲利
    • Organizer
      第60回日本ウイルス学会
    • Place of Presentation
      グランキューブ大阪・大阪国際会議場(大阪府)
    • Year and Date
      20121113-20121115
  • [Presentation] 食中毒細菌に対する単クローン抗体を用いた迅速簡便診断法の基礎的検討2012

    • Author(s)
      片山舞奈美
    • Organizer
      82回日本感染症学会西日本地方学術集会
    • Place of Presentation
      アクロス福岡(福岡県)
    • Year and Date
      20121105-20121107
  • [Presentation] サポウイルス単クローン抗体による迅速診断法の可能性2012

    • Author(s)
      北元憲利
    • Organizer
      第53回日本臨床ウイルス学会
    • Place of Presentation
      千里ライフサイエンスセンター(大阪府)
    • Year and Date
      20120616-20120617

URL: 

Published: 2014-07-24  

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