2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590751
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
工藤 雄一朗 北里大学, 医学部, 講師 (60348505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 好治 北里大学, 医学部, 名誉教授 (10124926)
角田 正史 北里大学, 医学部, 准教授 (00271221)
小谷 誠 北里大学, 医学部, その他 (60057205)
|
Keywords | 石綿代替繊維 / リフラクトリーセラミックファイバー / 気管内投与 / クリストバライト / サイトカイン / 肺胞マクロファージ |
Research Abstract |
本研究では加熱したリフラクトリーセラミックファイバー(Refractory ceramic fiber:RCF)の生体影響を評価するため、1200℃および1500℃に加熱したRCF、その生成物であるムライト、クリストバライトをラットに対し気管内投与した。 その後、気管支肺胞洗浄を行い、洗浄液を回収しマクロファージから産生されるサイトカイン(tumor necrosis factor-alpha:TNF-α、transforming growth factor(TGF)-β) を測定した。また、洗浄液中の細胞の種類を調べた。さらに肺を摘出し、病理学的影響を評価し、比較検討した。オスWistar ラット7週令に対し、試料0.5mg、クリストバライトのみ0.15mg,0.3mgを0.3mlの生理的食塩水に混ぜ、1日1回4日間連続投与した。陰性対照には生理的食塩水0.3mlを同様に投与(1群3~5匹)した。 TNF-αはすべての群で変化はなかった。TGF-βはクリストバライト0.3mg投与群で優位に増加した。気管支肺胞洗浄液中の細胞の種類では、クリストバライト投与群で有意な増加がみられた。病理学的影響評価では、1200℃、1500℃加熱処理群、ムライト投与群では肺に異常はみられなかった。クリストバライト投与群では肺胞壁の肥厚や炎症細胞浸潤がみられた。 今回の結果は、1200℃および1500℃に加熱したRCFとムライトは肺胞マクロファージによる貧食と肺内で繊維の溶解により異常はなかったが、クリストバライトはその毒性により影響がみられた。
|