2013 Fiscal Year Annual Research Report
レア・アース元素の健康影響 -吸入曝露実験による次世代影響-
Project/Area Number |
23590753
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
千葉 百子 順天堂大学, 医学部, その他 (80095819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 厚子 清泉女子大学, 付置研究所, 教授 (90157850)
松川 岳久 順天堂大学, 医学部, 助教 (60453586)
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Keywords | レア・アース元素 / サマリウム / 体内分布 / 次世代影響 / 血液・胎盤関門 |
Research Abstract |
レア・アース元素は古くから産業分野で広く用いられているが、特に近年は先端産業分野では不可欠であり、医療や化粧品の分野でも使用されるようになってきた。その生体影響を明らかにすることが重要である。ヒトが環境化学物質を取り込む主要3経路は、経気道、経口、および経皮からの取り込みであり、レア・アース化合物の曝露部位からの吸収、血流を介した各臓器への分布、代謝、排泄、などを検討する必要がある。 化学物質の挙動には雌雄差が知られているものや、曝露を受けた個体だけでなく次世代へ影響を及ぼすものもある。我々は主に雄性マウスを用いて、血流に取り込まれたレア・アース元素の実験モデルとしてレア・アースの可溶性化合物の静脈内投与を行ってきた。昨年度は、雌性マウスについてサマリウム(Sm)の臓器分布を調べ、雌雄差について検討した。曝露動物のみならず次世代への影響の可能性を検討するために、本年度は、妊娠マウスにSmを静脈内投与し、臓器への分布とその経時変化、母体から胎児または出生した仔マウスへのSmの移行の有無を調べた。ICR系妊娠マウス(妊娠10日目、SPF、1群3または4匹)に塩化サマリウムを、1 mg(Sm)/kg体重となるよう単回尾静脈内投与した。肝臓、腎臓、脾臓、卵巣、子宮(投与翌日と7日後は胎児、胎盤を含む)を摘出し酸分解ののちICP-MSにより臓器中Sm濃度を測定した。仔マウスについては、出産翌日は肝臓のみ、出生28日(4週)後は肝臓と腎臓、56日(8週)後は母マウスと同様に解剖して各種臓器を摘出しSm濃度を測定した 妊娠した母マウスに静脈内投与したSmは、肝臓、脾臓、腎臓、骨に加えて、子宮や胎盤にも分布するが、胎児への移行は起こりにくく、血液・胎盤関門がSmに対して機能していると考えられた。
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Research Products
(2 results)