2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590756
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
森田 幸雄 東京家政大学, 家政学部, 教授 (50415056)
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Keywords | 国際情報交換 / 冷凍輸入エビ / サルモネラ / ステノトロホモナス マルトフィリア / クリセオバクテリウム インドロゲネス / 薬剤感受性 / 東南アジア諸国 / ベータラクタマーゼ産生菌 |
Research Abstract |
我が国は多くの魚介類をアジア諸国から輸入している.そこで,ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生多剤耐性菌を含む耐性菌やサルモネラの日本への食品を介する侵入経路解明調査のひとつとして,輸入魚介類,特に冷凍エビからサルモネラや生菌等を分離し,それらの薬剤耐性試験を実施した.また,インドネシア(エビ養殖場)とタイ(水産省)を訪問し,エビ養殖や水産加工,輸出体制の実態を調査した. 平成25年度に国内で市販されている輸入冷凍エビ131検体(インド60検体,インドネシア48検体,ベトナム5検体,オーストラリア4検体,マレーシア3検体,ミャンマー,バングラディシュ,産地表示なしは2検体ずつ,タイ,パキスタン,中国,サウジアラビア,エクアドルは1検体ずつ)を検査した.冷凍エビ1gあたりの平均一般生菌数(平均±標準偏差 log cfu/g)は4.0 ±2.1 log cfu/gであった.サルモネラは11検体(5検体はインドネシア産,4検体はインド産,1検体はベトナム産,1検体はオーストラリア産)から分離された.分離サルモネラは供試した抗菌性物質のすべてに感受性を示した.染色体上にメタロβラクタマーゼ遺伝子を保有するStenotrophomonas maltophiliaが45検体,Chryseobacterium indologenesが8検体から分離された.ベトナム,タイ,マレーシアでは稚エビに致死性の病原性を示すEarly Mortality Syndrome(EMS)が流行しているために,インド産やインドネシア産のエビが多量に輸入されていた. インドネシアではエビ養殖の技術や施設の普及が進んでおり,主要な産業となっていた.養殖場ではEMSの侵入・流行に注意を払っていた.タイではEMSの流行によりエビ養殖は壊滅的な打撃をうけていた.腸炎ビブリオが原因病原体であることから,抗菌性物質を養殖池に投与することもみうけられ,今後の薬剤耐性菌の出現に気をつけなければならないと思われた.
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