2013 Fiscal Year Annual Research Report
nー3系不飽和脂肪酸の虚血性心疾患予防効果:LDLコレステロール機能による検討
Project/Area Number |
23590757
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
谷 樹昌 日本大学, 医学部, 准教授 (30451347)
|
Keywords | n-3系不飽和脂肪酸 / エイコサペンタエン酸 / ドコサヘキサエン酸 / 冠動脈疾患 / 血清脂質 |
Research Abstract |
平成25年度にはn-3系不飽和脂肪酸(n3-PUFA)の虚血性心疾患予防効果の研究成果を発表した。高中性脂肪(TG)血症例をEPA群, コントロール群に無作為に割付けしLDL粒子径と血清脂質の変化を検討した。LDL粒子径はEPA群でコントロール群に比較して有意に増大し、triglyceride-rich lipoproteinsの有意な低下を認めていた。これはLDL粒子径と負の相関関係を認め、EPAのTG代謝改善効果がLDL粒子サイズの変化に影響している事が示唆された。またEPA/アラキドン酸(AA)比が高値であるほどLDL粒子径増加、即ちLDL-Cの動脈硬化惹起性が減弱していた(欧州心臓病学会、Circ J.2013;77:2349-57)。 可溶性トロンボモジュリン(sTM)は血管内皮障害のマーカーとして有用であり、n3-PUFAとの関係は不明である。血清EPAとDHA値は良好な相関関係を認めていたが、冠危険因子で補正した多変量解析では、DHA(β=-0.218, p<0.05)はsTM値の独立した負の予測因子であったが、EPAは予測因子とはなり得なかった。よってEPAとDHAの心血管保護効果の相違に関しては不明な点が多いが、DHAは血管内皮障害の抑制効果を有する可能性がある(欧州心臓病学会、J Cardiol. 2014: doi: 10.1016/j.jjcc.2014.02.004)。更に横断研究で血清EPAとDHAが高値であるほど冠動脈疾患罹患率が低いことを示し、これはアポ蛋白A-1の増加が関与している可能性があることを論文発表した(Heart Vessels. 2013 10.1007/s00380-013-0442-y)以上の様に研究テーマに関しては当初の目的を十分に検討できたと思われる。今後はHDL-Cへのn3-PUFAの効果を検討する予定である。
|
Research Products
(7 results)