2013 Fiscal Year Annual Research Report
混合有機溶剤取扱い作業におけるリスクアセスメント・リスクマネジメント手法の開発
Project/Area Number |
23590763
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
保利 一 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (70140902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田尾 徹 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (90212901)
樋上 光雄 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (40588521)
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Keywords | 混合有機溶剤 / リアルタイムモニタリング / 気液平衡 / 物質移動速度 / VOCセンサー / 数値流体解析 |
Research Abstract |
混合有機溶剤を取り扱う作業におけるリスクアセスメントに必要なツールを開発することを目的とし,溶剤の蒸発速度および気中濃度の推定と,蒸気濃度のリアルタイムモニタリング法の開発の2つの面から検討を行った. 平成24年度までは,混合有機溶剤の容器内から発生する混合有機溶剤蒸気の発生濃度とその分布を実験的,理論的に調べてきた.平成25年度は,さらに現場の状況に近づけるため,蒸発実験では,湿度を0%,50%,80%と変えて蒸発速度に及ぼす湿度の影響を調べた.また,発生した後の蒸気の空間内分布についても数値流体解析によるシミュレーションを行い,実験値との比較検討を行った. リアルタイム測定手法の開発については,平成24年度までは単一溶剤について,網羅的に特性を調べたが,平成25度は2成分系の混合有機溶剤について検討を行った.具体的には,ひとつの成分の濃度を固定し,もう一方の成分の濃度を変化させて測定を行い,それぞれの成分のセンサー指示値への影響を検討した.その結果,センサーに対する感度が異なる溶剤の組み合わせでも,指示値は相加的であることが示され,濃度比を別途推定できれば,リアルタイムモニタリング機器により混合有機溶剤蒸気についても濃度を評価できる可能性が示された. 以上の2つの研究成果から,リスクアセスメント手法を確立する方法について検討した.混合有機溶剤蒸気の発生濃度の推定とシミュレーションによる濃度分布および濃度の経時変化の予測は新規作業場の設計および既存設備の改善に,またリアルタイムモニタによる計測は作業中の混合溶剤蒸気ばく露の把握に有用であり,これらを有機的に関連させることにより,ばく露を把握から改善までを効果的に行うことが可能になるので,本研究の成果は混合有機溶剤作業のリスクアセスメント・リスクマネジメントを行う上で有用なツールになると考えられる.
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Research Products
(9 results)