2011 Fiscal Year Research-status Report
神経生理学的指標を用いた主観的ストレスの客観的評価に関する研究
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23590772
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
村田 勝敬 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80157776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 豊人 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00321894)
堀口 兵剛 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90254002)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 主観的ストレス / 自律神経機能 / 心拍変動 / 客観的評価 / 健康管理 |
Research Abstract |
日常のストレスが各種自律神経系機能に現れやすいことは知られている。そこで、本研究では、主観的ストレスと自律神経系機能の関係を解析し、(1)自律神経系機能が主観的ストレスの客観的指標になり得るのか、また(2)どの主観的ストレスがいずれの自律神経指標にもっとも影響されやすいのか調べることを目的として、研究を行った。 まず最初に、男女により生理学的意味が異なるのかどうかを確認するために、大学1~3年生男女50名ずつの30秒間の心電図波形と5分間の心電図R-R間隔変動を第II誘導により測定した。心拍数とQTc時間、QT指標は女性の方が有意に大きく、収縮期血圧は男性が有意に高かった。男子学生の測定データは無事終了し終えた。運動習慣のある者ほど心拍数が減少した。年齢調整相関係数を見ると、男性においてはQTc時間はQT指標と収縮期血圧、拡張期血圧および心拍数と有意な正の相関が見られた。一方の女性では、QTc時間はQT指標と心拍数の間で有意な正の相関があった。 男性では運動習慣の有無が自律神経機能指標(収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数)と有意な負の関連がみられた。また、睡眠時間がQT指標と有意な正の相関があった。女性では運動習慣のある者がおらず、生活習慣(飲酒、睡眠時間)と有意な関連が見られなかった。なお、女子学生の測定が必ずしも条件通りに測定されていなかった可能性が指摘されたので、次年度再度測定し直しする必要があると考えられた。 一方、秋田県自動車販売健康保険組合の強力を得て、簡易ストレスおよび生活習慣に関する調査を約3,500名で行うように設定し、現在調査票の配布を行っている所である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1段階の男女の生活習慣の自律神経系機能に及ぼす影響の研究対象者(女性)の選択に偏りがあったので、再度検討することになったことが最大の原因である。 3,500名で行うストレス調査および心電図QTcの値については、先方の協力を得て、当初の予定通りに実施されている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.女子学生の自律神経機能と生活習慣に関する研究は夏季までに行う予定である。2.3,500名の自動車販売健康保険組合員のストレス調査が5月まで要することから、それらのデータを入手し次第解析し、本格調査に入る予定である。3.宮城県仙台市内の生活協同組合の調査は平成23年度に行う予定であったが、東日本大震災があり、対象者の中にも被災者が多数いた。このため、ここでの調査は平成24年度冬以降に行えるように調整をしていく予定である。4.平成23年度に支出予定であった謝金(人件費)が、当初の予定よりずれ込み、平成24年度の謝金(人件費)として支出することになった。この金額が次年度使用額が生じた理由である。次年度は多数の謝金(人件費)と秋田⇔仙台間の研究打ち合わせ旅費が必要となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は、自律神経機能測定およびデータ入力を行うため、人件費(測定補助者への謝金)が大半を占める予定である。また、秋田⇔仙台間の打ち合わせ旅費が必要となるう。その他は、測定機材の消耗品費の予定である。
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