2011 Fiscal Year Research-status Report
アポトーシス並びに細胞増殖因子と出血性脳血管疾患に関する前向き疫学研究
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23590776
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山海 知子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10241829)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 疫学 / 出血性脳血管疾患 / アポトーシス / 細胞増殖因子 / 予防 |
Research Abstract |
日本人に多く見られる出血性脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血)には、動脈硬化性因子の影響が認められない場合が多く、むしろ、血管平滑筋のアポトーシスの関連が指摘されている。そこで、アポトーシス関連因子としてのsFasと細胞増殖因子のIGF-1を、発症前に地域健康診断の際に採取し、-80℃凍結保存されている血清の中から、発症を悉皆的に把握している地域の出血性脳血管疾患発症者と地域・性・年齢(±1歳)で1:2マッチさせた非発症の対照者の採取分を選出し、sFasとIGF-1を測定比較し、nested case-control studyの手法により出血性脳血管疾患発症予防のための新たなバイオマーカーとしての可能性を検討する予定である。平成23年度において(1)研究対象3地域の脳血管疾患調査結果から出血性脳血管疾患発症者の収集、(2)対照者の選出、(3)発症前凍結血清の選定、(4)sFas、IGF-1の測定を井川・野市の2地域分先んじて行う予定であったが、解凍による検体の劣化を防ぎつつ作業を効率化するために、平成24年度予定の協和地域分も含めてまず(1)~(3)を行いつつ、平成24年度に3地域まとめて(4)を実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定していた井川・野市の出血性脳血管疾患発症者の把握、対照者の選出、検体の選定、測定のうち、測定が完了していないため、申請当初の計画よりは遅れている。しかし、平成24年度実施予定の協和について出血性脳血管疾患発症者の把握、対照者の選出、検体の選定を、平成23年度に同時進行で行えており、平成23年度と平成24年度で行う予定である測定を平成24年度内に行える見込みのため、おおむね順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度内には出血性脳血管疾患発症者とその対照者の約360例の凍結保存血清を測定し、その結果を学会等で報告していく方針である。平成25年度は当初の予定どおり約90例の測定を行い、sFas、IGF-1が出血性脳血管疾患発症に関連するバイオマーカーとなりうるか、統計解析を行い検討し、学術論文としての成果報告を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度内に予定していた井川・野市の出血性脳血管疾患発症者とその対照者合わせて約150例における発症前の凍結保存血清中のsFas、IGF-1測定の予算136万円が、測定準備は整ったものの測定の実施に至らなかったため、未使用となった。平成24年度には、研究計画申請時に予定していた協和の検体も合わせた発症者(症例)と対照者計約450例の発症前凍結保存血清の測定を順次実施する、即ち平成24年度の160万円と合わせて平成24年度内に使用する予定である。平成25年度には、(1)平成24年度内に測定が終了しなかった検体や継続的な発症調査の実施において新たに発症の確認された症例とその対照者の発症前の検体を追加測定する、(2)測定結果のコーディングと入力作業を行う人件費等、(3)データの統計解析、(4)研究成果の国際学会での報告や学術論文として発表するための諸費用として予算を計上している。
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