2011 Fiscal Year Research-status Report
都市高齢者の居住地域特性とエンドオブライフ期のケアパターンと関係性の類型的分析
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23590780
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 健人 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80126234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 薫子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10508336)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ケアパターン / 地域特性 / エンドオブライフ |
Research Abstract |
都市に住む住民の健康や福祉の水準は、直接的な医療介護サービスの内容だけでなく、地域の複数の様々な環境条件と密接な関係にあり、都市の居住地域特性要因との相互関係が存在する。健康・福祉の水準と環境条件との関係は、複合的ならびに包括的に把握される。「エンドオブライフ期」を、高齢期における身体機能上、精神機能上の支援が必要となる時期と定義すると、この時期は,自宅、医療施設、介護施設などで、医療・介護の専門家または家族や知人の支援を得て生活を意味する。エンドオブライフの過ごし方は、個人や家族の意向が尊重されるべきであるが、現実には、当該地域において利用可能な医療や介護サービスの量や質といった外的要因によって、選択の余地が限られている。利用可能な医療や介護サービスの量や質は、国や地方自治体における財政的な事情も反映されるが、さらに、都市地域ごとの、エンドオブライフ期の過ごし方についての、文化的社会的認識にも影響を受けると考えられる。つまり、高齢者が、エンドオブライフ期の諸段階において、自宅、医療施設、介護施設等において受けるケアは、疾病、障害、年齢、家族、地域の医療や介護のサービス状況により選択されている。この選択に対し、地域の文化的社会的な特徴や、地域の仕組み、事業展開の特質およびサービス資源の配置や活用度等の居住地域特性が関与していることが予想される。そこで本年度は、様々な地域指標、国民健康保険および介護保険に基づく利用状況、都市の居住地域特性と、高齢者がエンドオブライフ期に利用している各種ケアとそのパターンとの関係性を明らかにすることを目的に、全国都市における健康指標、社会指標、環境指標、在宅医療・地域介護・生活支援の資源に関する指標、人口当あたり医療費、介護費指標に基づき都市特性を類型化し、更に、都市の居住地域特性カテゴリー人口で層別化し、調査対象都市の抽出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画に基づき、様々な指標を複合的に用いて都市の居住地域特性と、高齢者がエンドオブライフ期に利用しているケアの種類と利用パターンの類型化を遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
医療、介護のパターンの類型ごとの医療、介護の直接費用の特徴を明らかにする。最後に都市の居住地域特性と、エンドオブライフ期の医療、介護のパターンの類型との関係を明らかにし、地域の特性に応じた、エンドオブライフ期の医療、介護について考察する。国民健康保険および介護保険の被保険者のデータを、個人情報秘匿のうえ、各自治体の協力を得て取得し、個人別の医療費および介護費用のデータベースを作成し、ケアパターンの類型ごとの、エンドオブライフ期の医療・介護費用の分析を行い、ケアパターン類型と居住地域特性との関係を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、調査対象地への旅費、エンドオブライフ期の医療・介護費用の分析のためのデータ入力、分析費用を主に使用し、研究を遂行する予定である。
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