2012 Fiscal Year Research-status Report
都市高齢者の居住地域特性とエンドオブライフ期のケアパターンと関係性の類型的分析
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23590780
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 健人 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80126234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 薫子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10508336)
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Keywords | エンドオブライフ |
Research Abstract |
高齢者が受けるケアパターン(医療ならびに介護サービスの種類と量および住民の受療・介護サービス利用状況)を明らかにすることを目的に、A市(人口8万7千人:平成24年4月)を調査地とし、保健医療介護サービス利用に関する住民調査、サービス提供に関する医療施設・介護事業所調査、高齢者の死亡前2年間の医療、介護の給付内容に関する調査を行った。A市内40歳以上住民から無作為抽出した3000人を対象とする質問紙調査の結果では(回収率62.0%)、介護が必要になった際の生活場所の希望は、介護・福祉施設への入所46.8%、自宅での生活継続32.8%であった。定期的通院の受療場所は診療所(80.1%)市内の病院(23.1%)市外の病院(16.1%)であり、急病時の休日・夜間の受診場所は、診療所(25.0%)市内の病院(66.0%)市外の病院(24.0%)であった。A市内の46医療機関、延78の介護施設・事業所で行った在宅医療、在宅ケア、介護サービスの提供状況の調査から、市内18診療所で往診または訪問診療を行っていた。施設入所者の平均要介護度は、介護老人福祉施設3.5、介護老人保健施設4.0、介護療養型医療施設4.1であった。医療と介護の給付について、後期高齢者医療制度、国民健康保険、介護保険いずれかの受給を受けていた死亡による資格喪失者1,562名について死亡前2年間の給付状況を分析した。死亡月を含めた25か月間の死亡者一人あたり医療費は、平均352万円であり、死亡時の年齢が高いほど医療給付額は低い傾向にあった。介護保険被保険者一人あたり(65歳以上死亡者)の平均額は63万円であり、死亡時の要介護度が高いほど介護給付費が高い傾向にあった。サービス種類別では施設入所サービスが総額の4割を占めていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
保健医療介護サービス利用に関する住民調査、サービス提供に関する医療施設・介護事業所調査、地域居住高齢者の死亡前2年間の医療、介護の給付額および給付内容に関する調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
保健医療介護サービスに関するグループインタビュー調査(フォローアップインタビューを含む)、エンドオブライフ期の医療と介護サービスの受け方に関する実態調査(継続的モニタリング)を行う。(1)疾病予防活動と医療機関受診、介護サービス利用、(2) 手厚い医療や介護が必要となった場合の生活場所について、地域単位の住民グループインタビューを行い、保健医療介護サービスと地域及び住民の対処パターンについて調査を行う。調査結果に基づき、医療機関、介護事業所等を対象とし、フォローアップの訪問インタビューを行う。医療、介護サービスの受け方については、24年4月から平成25年3月までに死亡した方の医療費及び介護保険給付費用額の匿名化個別月別情報を得て、医療と介護サービスの概況の分析を行う。さらに、匿名化個人ごとの医療費介護費給付の推移を月単位でグラフ化し、エンドオブライフ期の医療と介護サービスの受け方とその費用の類型化と、関連要因を分析する。前年度と同様に、平成24年4月から平成25年3月までに死亡者の医療費及び介護保険給付費用額の匿名化個別月別情報を得て分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
保健医療介護サービスに関するグループインタビュー調査およびエンドオブライフ期の医療と介護サービスの受け方に関する実態調査を実施する。
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