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2012 Fiscal Year Research-status Report

耳朶皺襞の評価者間一致率および心血管病との関連についての検討

Research Project

Project/Area Number 23590781
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

若杉 三奈子  新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任助教 (10584782)

Keywords耳朶皺襞 / 透析患者 / 心血管病
Research Abstract

耳朶皺襞とは耳朶に斜めに走る襞のことであり、その存在は動脈硬化性疾患、すなわち、心血管病の危険因子であることが報告されるようになり、それは欧米人のみならず、日本男性の剖検例でも報告されている。しかし、耳朶皺襞は、心血管病の独立した危険因子であるという報告も多数ある一方で、関連を認めない、あるいは、単に加齢による影響を見ているにすぎないという報告もあり、まだ一定の見解が得られていない。その理由として、耳朶皺襞の評価者間一致率(Kappa統計量)がこれまで一度も検討されていないことが考えられる。すなわち、もしも耳朶皺襞を異なった評価で判断していれば、一定の見解が得られない可能性がある。そこで本研究では、心血管病のハイリスク集団である透析患者を対象として、耳朶皺襞の評価者間一致率を検討し、さらに心血管病との関係を明らかにする。これにより、ベッドサイドで簡便に行えるスクリーニング検査として、耳朶皺襞の有無が使えるかどうかが明らかになり、その知見は実際の臨床現場で役に立つこととなる。
研究初年度に、研究計画書の作成、倫理委員会への申請を行い、208名の血液透析患者の同意を得て、両耳朶の写真撮影を行った。耳朶皺襞の評価者間一致率(Kappa統計量)および、これまで報告のない維持透析患者における耳朶皺襞陽性割合を明らかにした。
2年目である今年度は、上記で得られた陽性割合が、当初、サンプルサイズ計算を行った際に仮定した数字と離れていたため、十分な検出力を有する前向き研究とするために、サンプルサイズの再計算を行い、症例登録の追加および両耳朶の写真撮影を行った。前年度に得られた結果について、国際学会で発表を行った。横断データを用いて、耳朶皺襞と心血管病との関連を明らかにする解析を行っている。引き続き、心血管病発症との関連を明らかにするための前向き研究を継続している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1.研究2年めである今年度は、前年度に得られた結果をもとに、十分な検出力を有する前向き研究とするために、サンプルサイズの再計算を行った。前年度に得られた結果が、当初のサンプルサイズ計算で仮定した数字と異なった場合には、再計算を行うことは、当初の計画通りであった。
2.上記サンプルサイズ再計算の結果をもとに、症例登録の追加および両耳朶の写真撮影を行った。
3.追加分も含め、患者の臨床情報を知らない医師2名が耳朶皺襞を評価した。
4.前年度に得られた結果について、国際学会で発表を行った。
5.横断データを用いて、耳朶皺襞と心血管病との関連を明らかにする解析を行っている。引き続き、心血管病発症との関連を明らかにするための前向き研究を継続している。

Strategy for Future Research Activity

(平成25年度)平成24年度までに得られた結果について、学会発表ならびに論文投稿を行う。平成24年度に追加登録をした症例を含めて、耳朶皺襞を認める患者では、認めない患者に比べて、心血管病の既往に差があるかどうかを明らかにする(横断観察研究)。平成24年度に引き続き、心血管病の発症を前向きに観察する(前向きコホート研究)。各施設を訪問し、イベント発症の有無、脱落等を診療録より確認する。データはすべて匿名化したのち、新潟大学に集め、データクリーニング、および、解析をおこなう。
(平成26年度)平成25年度に引き続き、心血管病の発症を前向きに観察する。各施設を訪問し、イベント発症の有無、脱落等を確認する。データはすべて匿名化したのち、新潟大学に集め、データクリーニング、および、解析をおこなう。
(平成27年度)平成26年度までに得られたデータをもとに解析を行い、耳朶皺襞と心血管イベント発症の関連について、学会発表と英語論文作成を行う。
本研究で行う3つの研究結果により、ベッドサイドで簡便に行える心血管病のスクリーニング検査として、耳朶皺襞の有無が使えるかどうかが明らかになり、その知見は実際の臨床現場で役に立つこととなる。また、耳朶皺襞の有無は特別な検査を必要とせず、誰でも目で見て判断することができるため、本研究の成果は国民にも理解しやすいものであると考える。そのため、新聞などのメディアを通じて、広く国民へも研究成果を伝える予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度に得られた結果について、学会発表ならびに論文投稿を行う。そのための旅費、英文校閲料、論文投稿料、論文別刷代が必要である。
平成24年度に引き続き、各施設を訪問し、イベント発症の有無、脱落等を診療録より確認するため、各透析施設への交通費が必要である。月水金と、火木土の透析コースがあり、また午前透析、午後透析、夜間透析と、透析終了時間がそれぞれ異なり、また一度の訪問ですべての臨床情報を集めることは時間的に困難と考え、各施設にそれぞれ8回ずつ訪問する予定である。
診療録から臨床情報を記載する調査票は、新潟大学で一括して印刷し、各施設で使用する。そのための費用が必要である。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] Interobserver reliability of diagonal ear lobe crease in hemodialysis patients

    • Author(s)
      Minako Wakasugi, Junichiro James Kazama, Kazuko Kawamura, Masaaki Nagai, Saori Yokota, Kentaro Omori, and Ichiei Narita.
    • Organizer
      30th Annual Meeting of the International Society of Blood Purification
    • Place of Presentation
      Pacifico Yokohama (横浜市)
  • [Presentation] 血液透析患者における耳朶皺襞の評価者間一致率

    • Author(s)
      若杉三奈子、永井雅昭、横田さおり、大森健太郎、藤川浩一、青池郁夫、大森伯、川村和子、風間順一郎、成田一衛
    • Organizer
      第55回新潟透析懇話会学術集会
    • Place of Presentation
      朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター (新潟市)
  • [Presentation] 血液透析患者における耳朶皺襞の陽性割合

    • Author(s)
      若杉三奈子、永井雅昭、横田さおり、大森健太郎、藤川浩一、青池郁夫、大森伯、川村和子、山本卓、松尾浩司、高橋良光、風間順一郎、成田一衛
    • Organizer
      第58回日本透析医学会 学術集会・総会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場 (福岡市)

URL: 

Published: 2014-07-24  

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