2013 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧・脂質異常症・糖尿病の自己認識率(awareness)改善のための介入研究
Project/Area Number |
23590784
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
田中 太一郎 東邦大学, 医学部, 講師 (70402740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
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Keywords | 自己認識 / 高血圧 / 脂質異常症 / 糖尿病 |
Research Abstract |
高血圧や脂質異常症、糖尿病の有所見者に適切な治療が開始されるためには、有所見者自身がこれらの危険因子を有していると認識することが必要である。そこで、本研究では、1)患者集団ではない一般集団を対象に高血圧、脂質異常症及び糖尿病の自己認識状況を明らかにする、2)自己認識状況向上のための方策をポピュレーション・アプローチと個人向け介入の両面から開発し、さらに、介入群と対照群を設定した比較対照試験でその効果を検証する、を研究目的とした。 平成24年度は職域集団2ヶ所(調査対象者:約1,200人)、地域集団3ヶ所(調査対象者:約4,000人)で健診受診者を対象に調査を行った。具体的には前年度の定期健診のデータで各疾患の有所見者であるにもかかわらず自己認識のない者を平成23年度に開発した問診票を用いて抽出し、その頻度を明らかにした。その後、職域2集団を介入群と対照群に分け、介入群では事後指導方法を改善し、前述3疾患のうちの高血圧について、自己認識している者を増加をさせるための個別アプローチとポピュレーション・アプローチ(ポスター、卓上健康メモ等による集団全体への情報提供)を行った。 平成25年度は職域集団2ヶ所において、再度、自己認識率の調査を行った。その結果、取り組みを行った事業所では自己認識率が平成24年度から25年度にかけて、高血圧:75.2→84.7%、脂質異常症:57.6→48.9%、糖尿病:76.9→77.8%と推移していた。自己認識率を向上させるための重点的な対策を実施した高血圧で自己認識率の向上が認められた一方、重点的な対策を特に実施しなかった脂質異常症と糖尿病では自己認識率が横ばいまたは低下していた。よって、本研究で開発した手法が自己認識率の向上に繋がった可能性があると考えられた。
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