2011 Fiscal Year Research-status Report
耐糖能異常および脂質代謝異常と死因―とくに悪性新生物死の関連の疫学研究
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23590794
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中西 修平 広島大学, 病院, 病院助教 (70372183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 真康 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任助教 (30508130)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 代謝疾患 |
Research Abstract |
本研究は、悪性腫瘍の発生に、高インスリン血症・耐糖能異常や脂質代謝異常が関与することを仮説とし、遺伝的に差がないが環境因子が異なる事が示されている日系米人のデータを用いて悪性腫瘍と死因を検討することで、日本人の耐糖能異常者および脂質代謝異常者の死因特に悪性腫瘍死に関する研究の発展に貢献することを目的とする。平成23年度は平成24年度夏季に行うハワイ島における日系米人医学調査の準備期間と位置付けており、以下の事を行った。1.ハワイ島ヒロおよびコナにおける日系人コミュニティーとの打ち合わせ各広島県人会・現地監修医師との予後調査の実施時期・スタッフの調整を目的として、平成24年2月18日から22日にかけてヒロへ(研究分担者も同伴)、3月1日から5日までヒロおよびコナへ滞在し、各県人会の新年会に出席、広く今夏の医学調査の広報を行った。同時に検診実施場所の確保・日程調整も行った。2.必要物品の調達に関する調整昨今の航空会社の輸送に関するセキュリティー対策強化により、現在は日本から移出する物品は著しく制限されている。したがって現地での調達が必要な物品の確保が急務であった。このたびヒロにあるメディカルセンターより必要物品を納入する手はずを整えることに成功した。また同時に、医学調査実施後の血液および尿検体のハワイから広島への輸送についても、専門業者と新規に契約する事に成功した。これらの準備により、今夏の医学調査が予定通り実施できる見通しが立ちつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の計画は、ハワイ島日系人コミュニティーとの打ち合わせを行い、必要物品の調達にめどをつけることを主眼に置いた。この両者については上述のごとくほぼ達成されたと言える。現在検診スタッフとして医師4名の間で物資の具体的内訳や数量を話し合っており、早期に実際の注文のめどを立てる予定である。 また、現地広島県人会の主要メンバーと具体的な調査目的を説明し、検診場所や期間も打ち合わせの上決定した。現地監修医師の選定および確保するほか、検診補助のボランティアを県人会員から確保する予定も、ヒロでの現地医師とのミーティングを除きほぼクリアできた。1990年代以降の受診経験者を多数集めるための名簿の作成と呼びかけ体制の充実についても、現地県人会長との連携を図る予定とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度人事が決定したため、早期に検診スタッフ看護師3名、管理栄養士2名、検査技師1名の募集・確保を開始し、スタッフ間での調査内容・手順の打ち合わせを行い、医学調査手順マニュアルを作成する。平成24年の夏季に、ハワイ島コナおよびヒロに在住する日系米人を対象として医学調査を実施する。具体的には、注文物資などが確保されているか、また不測の事態に備えて先発隊を数日前から派遣しておき、彼らを除く検診団は7月22日から8月12日まで滞在とし、その会場ヒロはハワイ大学ヒロ校の敷地内、コナは県人会知己の寺院を確保した。 対象者全員に倫理審査委員会の承認を得た同意文書への署名を得た上で、詳細な問診(現病歴、特に悪性新生物に関する家族歴および既往歴、身体活動度に関するアンケート)とともに、身体計測、血圧測定、心電図、超音波検査による頚動脈内膜中膜複合体肥厚度(IMT)および腹部の皮下脂肪厚、内臓脂肪厚を測定する。さらに管理栄養士による栄養摂取状況の聞き取り調査によって、個々の対象者の1日の総カロリー摂取量、炭水化物、蛋白質、脂質の摂取割合、コレステロール、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、塩分、食物繊維の摂取量を算出する。また問診にて糖尿病発症の確認されていない対象者には全例75gOGTTを実施し、得られた血清はすべて凍結状態のまま日本へ空輸する。過去の受診者に対しては住所や電話番号がデータベースにあるため、郵送や電話連絡により受診を促す。死亡が確認された場合は家族及び知人から情報収集を行い、データベースの充実を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年の夏季に、ハワイ島に在住する日系米人を対象として医学調査を実施する。上述のごとく糖尿病発症の確認されていない対象者には全例75gOGTTを実施し、得られた血清はすべて凍結状態のまま日本へ空輸する。そのための器材および測定費用に研究費を使用する。また検診団の旅費および滞在費を要する。 以上の費用に使用する予定である。
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