2013 Fiscal Year Research-status Report
臨床的重要前立腺がんを診断する新たなスクリーニングシステムの開発
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23590812
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大東 貴志 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (80185371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳 東京医科大学, 医学部, 教授 (10167546)
水野 隆一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60383824)
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Keywords | 前立腺がん / スクリーニング / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
平成24年までに、PCA3スコアは生検時の前立腺がんの検出予測において、単独マーカーとしては現在使用されている他のどのマーカーよりも有効であるということが示された。しかし、癌のサイズや悪性度の指標であるGleason Scoreの予想においては、他のマーカーよりは優れているとはいえなかった。このため、近年の前立腺がん腫瘍マーカーに期待される治療が必要ながんのみを検出するという目的には、PCA3スコア単独の使用では必ずしも適しているとは言えなかった。 平成25年度は、さらに検体数を増やし、多変量解析およびノモグラム作成による検討を加えた。この結果治療を要する前立腺がん(臨床的重要がん)の検出において、PCA3は、PSA tree/total比と同様に独立した予想因子であることが分かった。そこで、PCA3とPSA tree/total比を組み合わせたノモグラムを作成したところ、ROC曲線を用いた臨床的重要がん検出の比較において、どの単独マーカーよりも広い曲線下面積を得ることができた。PCA3スコアとPSA tree/total比はそれぞれ患者の尿と血液より簡単に測定することができることから、このノモグラムは生検の適応も含め、PSA高値の患者のマネージメントプランを立てる上で、臨床的に極めて有効であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の最終年度にあたる昨年度は、追加の検体を測定できることができ、様々な解析を加え、PCA3スコアを含んだノモグラムの有効性を示すことができた。 本年度は新たな測定を行わず、成果を国際学会および論文で発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
他の施設の検体を用いて、作成したノモグラムのクロスバリデーションを行い、有効性が確定したら、実際の臨床応用に向けた研究を続けていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終成果の学会発表を10月の学会で行う予定であり旅費を計上した。 残金は10月の国際学会の旅費として計上予定である。
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