2011 Fiscal Year Research-status Report
突然死と心不全予防のための発症前診断の総合戦略と、その実践
Project/Area Number |
23590813
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
豊岡 照彦 北里大学, 医療系研究科, 客員教授 (00146151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 徹 北里大学, 医学部, 教授 (80143775)
許 俊鋭 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (30153232)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 心不全 / 遺伝子の網羅的解析 / 核遺伝子 / ミトコンドリア遺伝子 / 遺伝子間相互作用 |
Research Abstract |
本年度は研究計画の初年度で、申請時の研究計画に従い、国内では主に研究代表者が兼任していた東京大学・医学部・附属病院・器官病態内科の心不全外来で診療中の心不全患者と共同研究者の和泉が主宰する北里大学・医学部付属病院・循環器内科受診中の心不全患者で遺伝子診断を受諾頂いた患者、36名の末梢血からGenomic DNAを精製した。また心不全の民族差の遺伝子背景を探る目的で研究代表者がドイツ・Max-Planck研究所に出張実験した。心移植手術時に摘出して、冷凍保存中の心筋組織(19名分)の1部(約100mg)から既報に従いGenomic DNAを精製した。これと並行して理化学研究所がポストゲノムプロジェクトの一環で行ったCase-control studyに参加して研究代表者は心不全関連遺伝子のデータ解析を行った。この際にDNAには直接触れずに、理研がinvader法でgenotypingした測定結果を研究代表者が集めたデータベースを基本にして、多くのbioinformatics情報を基に解析した。また解析対象のゲノムとして核遺伝子に加え、ミトコンドリア遺伝子の全配列をSanger法で決定して民族的なhaplogroupを決定すると同時に、心機能の大きな影響を及ぼす変異の有無も解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画に従い、国内では東京大学病院及び北里大学病院に受診中の心不全患者で遺伝子診断を受諾頂いた患者から研究成果を上げている。またドイツ・Max-Planck研究所に出張実験し、心不全の民族差の遺伝子背景を探ることもできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在既に膨大な網羅的遺伝子解析が終了した試料の総数は未だ不十分であるが、医学的にも生物学的にも、また人種差も含む極めて興味ある結果が得られている。その中には個別の遺伝子変異に加えて、複数遺伝子の相互作用による病態修飾遺伝子等が含まれていた。具体的な研究方法と内容の公開には今回の研究に参加協力頂いた研究者全員と所属機関の承諾が必要であり、手続き終了後に、学会と文献で発表する予定である。更に、研究代表者が個別研究として参加していた厚生労働省・特定疾患研究・特発性心筋症調査研究班内で遺伝子解析の必要性が認められ、平成24年度から全体研究に格上げされた。班員各位の協力が得られれば試料数は飛躍的に増加すると期待される。若し、関係省庁にも理解頂ければ、年度途中でも関連遺伝子の診断精度を挙げるために研究規模を拡大したい。近未来で実現可能性の高い遺伝子治療、ES細胞やiPS細胞による再生医療を実現する際に遺伝子的に健全な試料を用いることは必須要件であり、臨床に供する大型研究に発展させたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
〔消耗品費〕 1,100千円 ・DNA精製機器、DNA sequencer、PCR機器を利用するための消耗品類の購入(マイクロアレイ作成費用、分子生物事件試薬類)〔旅費〕 300千円 ・国内学会参加のための旅費・国内及び海外の研究機関における出張実験のための旅費〔その他〕 100千円
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Research Products
(3 results)