2012 Fiscal Year Research-status Report
突然死と心不全予防のための発症前診断の総合戦略と、その実践
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23590813
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
豊岡 照彦 北里大学, 医療系研究科, 客員教授 (00146151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 徹 北里大学, 医学部, 名誉教授 (80143775)
許 俊鋭 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30153232)
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Keywords | 突然死 / 心不全 / 遺伝子 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
突然死の原因解明と予防は社会的にも急務である。我国には虚血性心疾患性の突然死に比較して心筋疾患に起因する例が多い。各個人のゲノム解析研究(GWAS)が発展した結果、人種間の変異の差が大きく、我国独自のマイクロアレイ開発が必要な為、心停止患者で救命例の多面的な解析により、突然死の総合的な予防医学の展開を目指した。 本年度は、資料収集と解析を同時に進めた。検査対象として他機関からの依頼には、豊岡と和泉が班員を務める厚生労働省、突発性心筋症・調査研究班の班員からの試料も所属機関の倫理委員会承認等の手続きを経て受け付けた。班長の循環器センターから共同参加の申入れをいただき、試料集めを積極的に推進した。解析法として候補遺伝子を1,000以下のマイクロアレイの試作品を作製し、精度管理、日本人と白人との遺伝子的背景を加えた変異部位の民族差を検討した。 遺伝子解析は、既に一部の配列決定に利用している独自のDatabaseを元にジーンチップ開発を行った。一方、ミトコンドリアゲノムについて全配列をRe-sequencingし、候補変異部位を従来のSanger解析で確認して診断を確定させた。そのプロセスとして、被験者の選択は、①突然死から救命された症例(豊岡、和泉)②重症心不全症例(豊岡、和泉、許)③日本人の手術例(国内ではLVAD装着時の心筋組織の採取:許)④白人の手術例(ドイツでは心筋移植の試料による解析用試料の作成:豊岡)が実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者である豊岡は、研究の企画、研究の指導、実践と解析および遺伝子診断における発症前診断の社会医学的な重要性を行政にも生かしている。 研究分担者である和泉は、試料収集、実験の指導と患者教育による啓蒙活動をも実施している。 もう1名の研究分担者の許は、手術材料の収集、再生医療を実行する際の遺伝子検査の推進を図っており、いずれの担当も計画通りに研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成23~24年度に得られた試料の遺伝子解析と最終的には患者の生命予後、QOL、および薬剤・外科治療の効果に関連する変異遺伝子を同定する。さらに共同研究者に高レベルの遺伝子統計解析者を加え、心不全責任遺伝子の同定、有効な治療選択による試料提供者への利益還元、医療行政への施策提言および再生医療の基盤整備を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の交付金は、①物品費:550,000円(マイクロアレイ、試薬等) ②旅費:150,000円(共同研究、学会発表等) ③人件費・謝金:0円 ④その他:100,000円(学会参加費等)を見込み、これらに加えて繰越金(186,257円)は、物品費を中心に使用する計画である。
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