2011 Fiscal Year Research-status Report
職業性ストレスがoccupational injury発生におよぼす研究
Project/Area Number |
23590818
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
石崎 昌夫 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (10184516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 職業性ストレス / occupational injury |
Research Abstract |
1996年より2008年末までの対象事業場における労働災害発生件数は274件あり、職業性ストレス調査年((1)1996年、(2)2002年、(3)2007年)及びその翌年に発生した労働災害は、それぞれ39件(男性29件、女性10件)、42件(男性32件、女性10件)、42件(男性29件、女性13件)であった。このうち、職業性ストレス調査に回答していた者は28人、38人、28人であった。なお、この対象事業場の1990年から1996年までの2年毎の労働災害発生件数推移は101件、75件、60件であり、安全衛生活動等により大きく減少していた。このデータを用いて、職業性ストレスと労働災害(各2年間)の関係についてそれぞれの横断調査を行った。解析方法は、職業性ストレスをjob demand-control modelで評価した仕事自由度、仕事要求度、仕事ストレイン(要求度/自由度)、職場でのサポートの各得点、さらにCenter for Epidemiologic Studies Depression scaleによるうつ症状得点をそれぞれ4分位して、労働災害発生に対するロジスチック解析を行った。なお、解析時には各ストレス調査時に回答された職種や性別を調整した。(1)では、仕事要求度が2番目に高いグループは最も低いグループに比べて約3.8倍労働災害発生が多かった。職場サポートが最も高いグループが最も低いグループより労働災害発生が高い傾向にあった。(2)では、職場サポートが最も高いグループが最も低いグループより労働災害発生が高い傾向にあった以外は、職業性ストレスと労働災害発生との間に明確な関係は認めなかった。(3)では、仕事要求度が最も高いグループが最も低いグループに比べて約2.6倍労働災害発生が多かった。うつ症状得点が最も高いグループが最も低いグループに比べて約3.8倍労働災害発生が多かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象事業場における、過去の労働災害発生状況と職業性ストレス調査結果を連結匿名化するデータベースの構築はほとんど終了した。また、就労状況(㋐退職・転勤㋑時間外労働㋒職位)についてもデータを入手した。
|
Strategy for Future Research Activity |
会社再編成のため、労働災害データの個人属性の一部が入手されていないことが判明したので、残りの情報を入手する予定である。その後、就労状況や健康状況、労働災害発生職場等を勘案して、縦断的な検討も行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
労働災害記録の追加入手のため、交通費および資料整理費が必要である。病気欠勤記録の資料整理費が必要である。就労状況データは(1)事業場独自のデータフォーマットである (2)観察期間中、事業場内の人事情報システム変更があったという理由から、PCによる統計解析を行うためにデータ加工を委託する費用がいる。また、データを統計解析するためのソフト使用料が生じる。
|