2011 Fiscal Year Research-status Report
中学生におけるピロリ菌感染率と胃粘膜健康度に関する疫学研究
Project/Area Number |
23590821
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
林 櫻松 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50340302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 佳子 (中山 佳子) 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (20600498)
菊地 正悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40224901)
上田 純子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90454339)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ピロリ菌 / ペプシノーゲン / 有病率 / 胃粘膜 / 中学生 |
Research Abstract |
本研究では、学校検診で実施されている採血の残血清を用いて血清ピロリ抗体と胃粘膜健康度の指標であるペプシノーゲン値を測定することにより、中学生におけるピロリ感染率や胃粘膜の状態を明らかにすることを目的としている。平成23年度は、1)文献検索により、日本人10代の健常人におけるピロリ菌感染率や血清ペプシノーゲン値を調べた。ピロリ菌感染率については、報告されている数少ない研究によると、10代におけるピロリ菌感染率は4.6%から29%と幅が広かった。理由として、対象者の年齢や、調査地域、検査法、検査キットの精度などにおいて研究によって異なることが考えられる。血清ペプシノーゲン値に関しては、10代での報告はこれまできわめて少ないことが明らかになった。2)平成24年度は、長野県内の3つの中学校で、同意が得られる方を対象として、調査を実施することが決まった。今までの生活習慣病予防に関する調査実績では、3校で1年間で380名ほどからデータが得られている。また、3校は、それぞれ都市部、農村部、山間部のモデル校であることから、ピロリ菌感染率に関する地域差を調査するのに適していると考える。調査に向け、倫理委員会の承認、調査配布資料の作成、測定内容、委託検査機関の選定、結果の返却などについて準備を進めている。3)以上の3校のほか、平成24年度の秋に予定されている学校検診で採取された血液の残血清の利用について松本市教育委員会と交渉を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に平成23年度の実施計画は、1)性年齢別のピロリ菌感染率やペプシノーゲン値に関する文献をレビュー、2)ELISA法測定キットの精度を比較、3) 研究に協力する学校のリストを作成し、調査対象人数を試算、4) 研究代表者と担研究者の所属する大学倫理委員会に本研究課題を申請し承諾を得る、となっている。4つの計画について、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、長野県内の3つの中学校で、本研究への参加に同意が得られた中学生から、学校検診で採取された血液の残血清を用いてピロリ菌抗体とペプシノーゲン値を測定することを予定している。測定は検査機関に委託し、測定結果は研究参加者に返却する。測定結果に基づき、性、年齢別のピロリ菌感染率や胃粘膜萎縮の状況などを分析する。3校のほか、平成24年度の秋に予定されている学校検診で採取された血液の残血清の利用について松本市教育委員会と交渉していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、3つの学校で約400人の中学生から残血清によるピロリ菌抗体やペプシノーゲン値の測定を検査機関に委託するため、測定費に研究費が使用される。また、国際学会や国内学会で情報収集のための参加費と交通費、データ整理・入力などに必要な人件費を研究費から支払う予定である。
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