2013 Fiscal Year Annual Research Report
血清レプチン、アディポネクチンと潜在性動脈硬化進展度に関する研究
Project/Area Number |
23590823
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
中村 保幸 京都女子大学, 家政学部, 教授 (20144371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 学内共同利用施設等, その他 (70144483)
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
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Keywords | 潜在的動脈硬化 / レプチン / アディポネクチン / 冠動脈石灰化 / 頸動脈内膜-中膜肥厚度 |
Research Abstract |
動脈硬化進展に関与するサイトカインとしてアディポネクチンとレプチンの2つのアディポサイトカインの役割が最近注目されている。アディポサイトカインの動脈硬化進展作用の最上流には肥満があるが、急速な肥満改善を安全に行うのは困難であるため、過渡的に治療目的でアディポネクチンやレプチンを投与する計画が立案されている。しかし上記知見の多くは動物実験の結果に依存する部分が多く、動脈硬化予防にアディポサイトカインを体外から投与することの妥当性はあらかじめヒトで確認する必要がある。 滋賀県草津市在住の720人(40-69歳)の一般住民男性を対象に血清レプチンおよびアディポネクチンと潜在的動脈硬化の関係をCT検査による冠動脈石灰化(CAC, Agaston score ≥10)と頸動脈内膜-中膜肥厚度(IMT)を用いて検討した。レプチンおよびアディポネクチンを5分位に分けると平均IMTとAgaston scoreはレプチンが高いグループほど高く、またアディポネクチンが高いグループほど低かった。重回帰分析にて解析すると対数変換レプチン(log-leptin)と対数変換アディポネクチン(log-adip)のいずれもIMTとは関連がなかった。一方CACの有無をロジスティック解析で検討すると、年齢のみで調整した場合log-leptinはCACと正の関連があったが、さらに収縮期血圧、喫煙、飲酒量、HbA1c、BMI、BMIxlog-leptinを調整因子に加えるとlog-leptinはCACと有意な負の関連が現れてきた。log-adipとCACの間には何ら有意な関連は無かった。このため減量目的の補助手段としてレプチンを使用することにある程度の期待が出来ることとなった。本結果は現在英文に投稿中である。
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Research Products
(5 results)