2012 Fiscal Year Research-status Report
骨粗鬆症と骨折は動脈硬化を進展させ心血管リスクを高めるか-無作為標本の15年追跡
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23590824
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
由良 晶子 近畿大学, 医学部, 講師 (80142595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
玉置 淳子 近畿大学, 医学部, 准教授 (90326356)
平野 豊 近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (40218805)
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Keywords | 心血管疾患 / 骨粗鬆症 / リスク評価 / 無作為標本 / 前向きコホート研究 / 地域保健 |
Research Abstract |
本年度は、福島県N町についてJPOSコホート研究の満16年追跡調査を、調査時現在同地域に在住する440人を対象として実施し、320人が受診した。本課題の対象者であるベースライン時50歳以上の217人については136人が受診した。昨年度に実施した香川県S市、北海道M町、新潟県J市の3地域の満15年追跡調査と併せると、4地域全体で1862人を対象とし、1316人が受診し(追跡率 70.0%)、このうちベースライン時50歳以上の934人については595人が受診し追跡率63.7%を得た。 副次的結果指標については、血圧脈波検査装置を用い、上腕-足首動脈脈波伝播速度を4地域を通じて1名の専従測定者によって測定した。 また福島県N町の15年次追跡調査の未受診者120人について、心血管疾患発生該当者の把握を目的とし郵送による質問紙調査を実施し、101人から回答を得た。昨年度実施した3地域での未受診者調査と併せると、4地域全体で509名対し419名から回答を得た。ベースライン時50歳以上の未受診者についてみると、福島県N町67人を含め4地域全体で277名から回答を得られ、この回答結果を併せるとベースライン時50歳以上全体の93.4%について心血管疾患発生の有無を把握できる可能性が得られた。 医療機関への診断確認調査も継続して実施した。昨年度調査を実施した3地域について未受診者調査によって回答を得た者を含め心血管疾患が発症した可能性のある者で同意が得られた45名について診断確認調査を行い、現在28名について調査票を回収した状況である。また、福島県N町の15年次追跡調査の結果、心血管疾患が発症した可能性のある者9人を選定し、このうち6人について診断確認調査について本人の同意を得ている。今後、未受診者調査の回答から選定された心血管疾患発症の可能性のある者10人を含め同様に診断確認調査を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
福島県N町について15年次追跡調査を行い、心血管疾患の発生把握と、動脈硬化指標の測定を実施した。4地域全体で本課題の対象者であるベースライン時50歳以上934人(追跡率63.7%)についてデータベースを構築した。また、昨年度調査を実施した3地域の未受診者調査の回答から選定した心血管疾患発症者について、医療機関への診断確認調査を実施した。よって、現在までの達成度はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
4対象市町の心血管疾患発生該当者の医療機関に対する診断調査を完了させ、平成25年度には当初の計画通り、心血管疾患発生について、古典的リスク要因、骨折歴、骨密度、骨代謝指標等がもつ寄与の大きさをポアソン回帰で求め相対リスク評価モデルの構築を試みる。次いで、求めた個人の心血管疾患発生の相対リスクに日本人女性における心血管疾患発生率と生存率を乗じて、向こう10年間の絶対リスクとして計算する。現在までの達成度はおおむね順調に進展していると言える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、主として学術的成果発表の費用を計上している。
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