2011 Fiscal Year Research-status Report
原爆被爆者造血器腫瘍の臨床的特性に基づいた発症リスク評価
Project/Area Number |
23590829
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岩永 正子 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 講師 (00372772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 泰司 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40304943)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | がん疫学 / 造血器腫瘍 / 発症リスク / 放射線被曝 / 原爆被爆者 |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者と研究分担者がこれまで行ってきた原爆被爆者における骨髄異形成症候群(MDS)とM蛋白血症(MGUS)の発生リスクについての新しい疫学的知見 (Blood, 2009、JCO, 2011)をさらに発展させ、原爆被爆者における骨髄系腫瘍(白血病、MDS)とリンパ系腫瘍(悪性リンパ腫、成人T細胞性白血病、多発性骨髄腫)を含めた造血器腫瘍全体の発生リスクについて、臨床的特性を考慮にいれた新しい疫学知見をもたらすことを目的とする。本年度は、白血病については、平成20年から行っている長崎県腫瘍登録データベースから抽出した白血病症例の新国際分類に基づいた病型亜分類による診断確定作業を引き続き行った(延べ約5000件)。さらに白血病の病型亜分類診断確定作業と並行して、MDSからの白血病進展例の特定と診断確定作業を慎重に行っている。診断確定作業終了後にデータを固定し、この中から原爆被爆者を特定する予定である。既知報告の被爆者MDS約150症例については、染色体異常の特徴について引き続き詳細に解析し、成果を国際学会で発表 (国際MDSシンポジウムと日本血液学会国際シンポジウム)、治療関連MDSの染色体異常など海外論文からの知見と比較しながら論文化を進めている。MGUSと多発性骨髄腫については、研究分担者らを中心に、これまで集積してきた被爆者MGUS約1100例の新たな予後情報(死因と多発性骨髄腫進展)をとりまとめ中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度途中に研究代表者が所属研究機関を移動したため、研究分担者および長崎県腫瘍登録室との研究打ち合わせの回数が減少したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者および長崎県腫瘍登録室との研究打ち合わせ会議の頻度を増やし、データ解析に向けた診断確定作業を迅速に終わらせ、成果発表につなげる努力をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は年度途中の所属移動により研究打ち合わせ会議の回数が少なかったため、繰り越し分を含めた研究費は、研究打ち合わせ会議のための国内交通費、国内外学会での研究成果発表のための交通費、英文校正や論文投稿にかかる経費、コンピューターソフトのアップデートなどに使用する予定である。
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Research Products
(6 results)