2013 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙者の禁煙と生活習慣が酸化ストレスの状態に及ぼす影響の研究
Project/Area Number |
23590832
|
Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
大庭 志野 国立保健医療科学院, その他部局等, 研究員 (70397321)
|
Keywords | 喫煙 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
禁煙の過程で酸化ストレスの指標に低下がみられるか、またその変化に年齢、性別、運動量、BMI値等による効果の修飾がみられるかを明らかにすることを目的とした。 埼玉県内を中心に禁煙外来を行っている6医療施設において調査を行った。対象者は禁煙治療のための標準手順書に基づき保険適用の禁煙治療を受ける人で、①直ちに禁煙しようと考えている、②TDS(ニコチン依存症のスクリーニングテスト)でニコチン依存症と診断されている、③ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上、④禁煙治療に同意している、の全ての項目に該当する人とした。 随時尿を初診時および4回の再診時に収集し、8-hydroxy-2’-deoxyguanosine(8-OHdG)と、8-iso-prostaglandin F2α(8-epi-PGF2α)の測定を行い、酸化ストレスの状態を調べた。また、身体調査および質問票調査を行い、身長、体重、禁煙補助薬の処方内容、本人及び家族の既往歴、栄養摂取の状況、睡眠の質、婚姻、教育歴、就業の状態等の社会経済的状況、運動習慣について調べた。喫煙の状況については、禁煙外来受診の動機、過去喫煙歴、禁煙及び受動喫煙の知識、禁煙治療中および各診察時における喫煙量等を調べた。 年齢、BMI、アルコール摂取量、ニコチン依存度の各指標にばらつきがみられた。調査参加者の約4割が女性であったが、女性ではブリンクマン指数、一日あたりの喫煙数、喫煙年数が男性よりも低い傾向がみられた。8-OHDGは治療2週から4週の間に若干の減少の傾向がみられたが、治療期間全体を通して大きな傾向はみられなかった。8-epi-PGF2αの低下の傾向は治療期間中を通して一定していた。年齢、性別、BMI、運動量、アルコール摂取量、一日あたりの摂取量、ニコチン依存度等の参加者の特質による効果の修飾についても確認を行った。
|