2013 Fiscal Year Annual Research Report
循環器危険因子としての大動脈石灰化・大動脈径の測定意義についての疫学研究
Project/Area Number |
23590837
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Research Institution | 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発 |
Principal Investigator |
岡田 武夫 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病, その他部局等, その他 (70450921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 哲也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50448031)
北村 明彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病, その他部局等, その他 (80450922)
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Keywords | 動脈硬化 / 大動脈石灰化 / 心臓周囲脂肪 / 冠動脈石灰化 |
Research Abstract |
2002年から2010年に人間ドックを受診した男性287名、女性363名を対象として解析を行った。まず、心臓周囲脂肪のCT画像での各断面での面積を計測し、スライス厚を乗じて心臓周囲脂肪体積の算出を行った。 心臓周囲脂肪の体積で対象者を4群に分類して、もっとも心臓周囲脂肪が少ない群を第1群、多い群を第4群として群ごとの比較対象を行った。高血圧の頻度は、第1群と比べて第4群で高かった。糖尿病の頻度も第4群で高い傾向があった。冠動脈石灰化の頻度は、男性では第4群でもっとも高い傾向があったが、女性では第1群で頻度が低いものの第2から4群では同程度の頻度であった。 次に、同じCT画像から、大動脈の石灰化を評価するために、冠動脈石灰化の評価と同様の手法を用いて大動脈石灰化の定量的評価を試みた。しかし、画像上、周辺の石灰化との鑑別が困難なことが多く、再現性を欠く状態であり、定量的な評価は困難との結論に至った。大動脈径の計測についても、蛇行が極端な例では計測はできるものの大動脈径の真値との関係を定量化することが困難であった。 そこで、大動脈石灰化と冠動脈石灰化の程度で定性的な比較検討を行ったところ、大動脈石灰化のあるものでは、冠動脈石灰化の程度が強い傾向が見られた。また、大動脈径が大きいものでも冠動脈石灰化が多いと考えられた。 以上より、大動脈石灰化および大動脈径の拡大は、循環器疾患の危険因子と考えられた。ただし、大動脈石灰化や大動脈径の拡大は高齢者で多く見られ、独立した危険因子といえるかどうかは今後のさらなる解析が必要と考えられた。現在、得られたデータについて再度の解析を行い、一定の知見が得られた時点で学会等で発表する予定である。
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