2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590845
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高安 達典 金沢大学, 医学系, 准教授 (80154912)
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Keywords | 合成麻薬 / MDMA / 毒性 / 遺伝子 / 多因子解析 / 覚せい剤 |
Research Abstract |
合成麻薬MDMAの乱用は大きな社会問題の一つであるが,MDMAの分子毒性解析はあまり多く行われていない。そこで,覚醒剤メタンフェタミン(MA)と構造がよく似ているMDMAを投与した場合の生体の反応は覚醒剤の反応とどこが同じで,何が異なるのかを明らかにする目的で,マウスを用いた動物実験を行い,脳や心臓に焦点をあて実験を行った。一昨年度はMDMAについて,昨年度はMAについて長期投与マウスの脳と心臓試料についてtotal RNAを用い包括的mRNA解析を行った。今年度はこれらの解析データから系統的解析を行い,有意に発現の上昇や下落が見られた複数の因子の関連を探索し,MDMAやMAの長期投与の影響について検討した。その結果,1)MDMA長期投与脳試料でブランクと比較し発現の上昇が見られたのはサイトカインMCP1,神経ペプチドAGPR,細胞間シグナルタンパク質CYR61, インターロイキンリセプターIL-4R, 細胞間シグナルGタンパク質,転写因子ATF3, 転写因子MAFFなどで,また発現の減少がみられたのは翻訳開始因子EIF2S3, 眼や小脳発達関連因子MAB21L1, 神経成長因子GMFG, S100タンパク質ファミリーS100-A5, 内耳形成因子OPT2などであった。2)MAを長期投与したマウスの脳組織から同様mRNAの発現の上昇が見られたのは:転写因子ATF3, 細胞間シグナルGタンパク質, 転写因子FOSB, 転写因子EGR2, 転写抑制因子BTG2, 転写因子JUNB, 後期応答因子IEG2などであった。また発現の減少がみられたのはドパミントランスポーターDAT1, チューブリン・チロシン・リガーゼTTLL3, 乳酸脱水素酵素LDHAL6B, Gタンパク質共役受容体 GPR179などであった。これらの因子の相互関連について今後詳細に検討したい。
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Research Products
(1 results)