劣化ＤＮＡ試料分析の標準化に関する研究

2011 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 23590847
• Research Institution: Shinshu University
• Principal Investigator: 浅村 英樹 信州大学, 医学部, 教授 (80324250)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 林 徳多郎 信州大学, 医学部, 助手 (50600607)
• Project Period (FY): 2011-04-28 – 2014-03-31
• Keywords: DNA多型

Research Abstract

DNA鑑定技術が飛躍的に進歩した現在、劣化DNA試料においても同様に精度の高いDNA鑑定が可能となるシステムの構築が急務であり、劣化DNA試料に対する極めて精度の高い個人識別を可能とすべく、劣化試料分析における1つのプロトコールの構築を目的とした研究を遂行している。　現在までに、X染色体上の16 SNPs ( rs4827155, rs471205, rs7884160, rs16982419, rs985251, rs3813932, rs6630351, rs4132871, rs5966270, rs7471388, rs6641116, rs6521038, rs5990560, rs5959408, rs414960, rs3006142 ) のMini PCR-SNPs法を考案し、論文発表に至った（ Development of multiplex assay with 16 SNPs on X chromosome for degraded samples. Legal Medicine 14;11-16:2012. )。　さらに、Y染色体上のSNPsについてもYCCに準じた24SNPs( SRY465, M95, P31, M88, PK4, M116.1, IMS-JST022457, M125, M151, P120, P42, M179, P120, M242, RPS4Y711=M130, M231, P31, P191, M119, IMS-JST021355, M15, P99, M179, M122 ) について系統樹分類をすべく、検討中である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

目的の1つとしていた劣化試料に有効な性染色体のMini PCR-SNPs法のシステムが構築でき、論文発表に至ったため。

Strategy for Future Research Activity

分析を終了した時点で、個人識別に応用可能な高い識別能を有するSTR座位およびSNPsのみを抽出し、MiniSTR法およびMiniPCR-SNPs法を構築する。　劣化DNA実務試料への本法の応用として、前年度にほぼ完成させるMiniSTR法およびMiniPCR-SNPsを、劣化DNA試料に応用し、その分析能を検証する。劣化DNA試料は、顕著にDNAの断片化を呈し、キットによるSTR分析などでは、200 bp以上のPCR産物がほとんど増幅されないことを特徴としている。従って、このような実務試料200以上を用いて分析し、本システムの有効性を実証する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

DNA合成のプライマーやプローブとフラグメント解析用の試薬（Six Paq Amplitaq Gold&10xPCR Gold Buffer/MgC12 等）、シークエンス解析用の試薬（BigDye Terminator v1.1 Cycle sequencing Kit等）及びDNA抽出のための試薬（DNAエキストラクター（R）FMキット等）その他に消耗品（マイクロチップやチューブ、36cm Capillary Array(47cmx50um)4本/アレイ等）

Research Products

• [Journal Article] Development of multiplex assay with 16 SNPs on X chromosome for degraded samples. (2012)
  • Author(s): Takahito Oki, Tokutaro Hayashi, Masao Ota, Hideki Asamura
  • Journal Title: Legal Medicine Volume: 14 Pages: 11-16
  • DOI: 10.1016/j.legalmed.2011.10.001.Epub 2011 Dec 16.
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 染色体上のSNPs 解析法に関する比較検討 (2011)
  • Author(s): 原山雄太，塚田和彦，沖貴仁，林徳多郎，太田正穂，浅村英樹
  • Organizer: 第95次日本法医学会学術全国集会
  • Place of Presentation: コラッセ福島
  • Year and Date: 2011年6月17日
• [Presentation] 性染色体上SNPs 解析法に関する比較検討（ 第2報） (2011)
  • Author(s): 原山雄太，沖貴仁，塚田和彦，林徳多郎，太田正穂，浅村英樹
  • Organizer: 第20回日本DNA多型学会学術集会
  • Place of Presentation: はまぎんホールヴィアマーレ
  • Year and Date: 2011年12月2日