2014 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオームを活用した新規受傷時期推定マーカーの開発とその法医学的応用
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23590853
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
賀川 慎一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (70562213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中園 一郎 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30108287) [Withdrawn]
池松 和哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80332857)
梅原 敬弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (60617421)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | chilinase 3-like 3 / Proteome / Real time PCR / Western blotting / In situ hybridization / Immunohistochemistry / mouse |
Outline of Annual Research Achievements |
法医実務における損傷受傷時期の診断は極めて重要な命題である。しかし、受傷後早期(3~5日)の受傷時期の証明は極めて困難で ある 。しかも、この時期の蛋白質発現動態は全く未知であるために、蛋白質マーカーを利用した解析法を用いることも不可能である。 そ こで、申請者らは、プロテオーム解析法を用いて、この時期の一部の蛋白質発現動態を検索した。具体的には、6週齢BALB/cマウスの背部に打ち抜き損傷を作製し、2次元電気泳動法を行い、スポットを銀染色にて確認した。解析対象は受傷三日後で、controlとして打ち抜き直後を用い、皮膚損傷部における蛋白質発現状態を直接的に比較した。1回の泳動にて2000程度のspot出現を確認し、かつ 、 受傷後3日に特異的発現するspotを30個程度見出した。この中で、最大の発現有意差を認めたspotについては、MALDI-TOF-MSにて蛋白質同定検索を行い、chilinase 3-like 3(Chi3l3)と同定した。さらに、遺伝子発現量をReal Time PCR法にて検討し、Chi3l3 mRNA が 受傷後3日という時期に、特異的な爆発的発現(他時期に比して400倍)が認められた。さらに、Chi3l3のプチチドを作成し、アルブミ ンと結合後に家兎に免疫し、Chi3l3抗体を作成た。得られた抗体を用いて、Wetern blottingを行ったところ、受傷後3日での蛋白 質 の特異的増加を確認した。また、免疫組織学的検討を行ったところ、Chi3l3はマクロファージに発現しており、やはり受傷後3日に組織学的にも増加が確認可能であった。さらに、In situ hybridyzationを行ったところ、陽性細胞は受傷後3日に認められた。 従って、Chi3l3は受傷後3日に発現する受傷時期推定マーカーとなるものと考える。
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