2013 Fiscal Year Annual Research Report
心筋症に基づく心臓性突然死症例における原因遺伝子解析
Project/Area Number |
23590856
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中村 茂基 北里大学, 医学部, 講師 (70130268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 克由 北里大学, 医学部, 教授 (90138123)
古川 理孝 北里大学, 医学部, 講師 (90051911)
村上 千香子 北里大学, 医学部, 助教 (30433717)
入江 渉 北里大学, 医学部, 助教 (80597352)
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Keywords | 心筋症 / 心アンキリン反復タンパク / タイチン / テレトニン / 心臓性突然死 / 遺伝子解析 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
タイチン、テレトニンおよび心アンキリン反復タンパクをコードする遺伝子(TTN、TCAPおよびANKRD1)の変異解析を行うことにより、我が国における心筋症に基づく心臓性突然死の実体を究明することを目的としている。本年度はタイチン(TTN)についてN2A、N2BおよびZ帯領域における変異の有無を検討した。解析資料はすでに収集されているHCM 13例、DCM 18例、ARVC 3例、対照例として心肥大を伴う突然死症例35例(平均心重量623g)、その他の突然死症例200例の血液および心筋である。さらに、すでに解析を行っているその他のサルコメア遺伝子も含めて心筋症の確定診断に向けた新たな遺伝子解析システムについて検討を行った。TTN遺伝子解析の結果、4か所の新たな変異を含む23か所の変異を検出した。N2A領域では2か所のミスセンス変異p.Val9710Ile(DCM症例)、p.Asp9752Asn(心肥大症例)を検出したが、DCM症例ではその他のサルコメア遺伝子に変異が検出されておらず、原因遺伝子である可能性が示唆された。また、g.130408-131130領域における4か所のSNPsは連鎖していることを明らかにした。 本研究期間においてTCAPについてはExon2でp.Ala151=(SNP)を検出したが、DCMで対照との間に有意差が認められ(p<0.005)、疾患との関連が示唆された。ANKRD1ではg.7260-7291領域にTAの繰返し配列を主体とする高変異領域を検出した。さらに、心筋症の遺伝子解析システムについては、TNNT2、TNNI3およびMYBPC3遺伝子内に検出された4か所のSNPsが確定診断には有効であることを明らかにした。以上の結果から、本研究は遺伝子異常に基づく心筋症の病因を明らかにするとともに、心筋症の遺伝子診断さらには予防にも貢献するものと考えられた。
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Research Products
(12 results)