2011 Fiscal Year Research-status Report
グレリンの神経性食欲不振症における栄養改善薬としての臨床的研究
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23590872
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
鈴木 眞理 (堀田 眞理) 政策研究大学院大学, 保健管理センター, 教授 (90128140)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | グレリン / 神経性食欲不振症 / 胃電図 |
Research Abstract |
本研究の目的は、末梢投与で摂食促進効果を有し、現在、使用可能な唯一の生理活性物質であるグレリンを、急性期の低栄養状態の改善を目的とした薬物療法として確立するために、摂食量増進作用のメカニズムを消化機能の面から解析することである。消化機能、特に胃運動機能の評価には、患者にとって非侵襲的な方法である胃電図と、アセトアミノフェン内服後の血中濃度を測定する胃排出能の測定を用いることを計画した。平成23年度は、胃電図を用いて神経性食欲不振症患者のグレリンの胃の電気活動に及ぼす変化を検討することを計画した。実施医療機関である東京女子医科大学の倫理委員会の認可を得るために計画書を作成・申請した。合成ヒトグレリンを東京女子医科大学で製剤化し、日本食品分析センターでの発熱性物質試験とエンドトキシン試験を提出した。米国精神病学会と本邦の調査研究班の診断基準を満たす神経性食欲不振症、制限型の患者のリストアップをし、文書でインフォームドコンセントを得る準備をした。現在、本邦で入手できる胃電図はPolygraph ID (ASAHI BIOMED)のみである。得られた胃電図の結果の解析のための専用ソフトは平成23年度の交付金ですでに購入済である。胃電図装置本体は他の研究費で購入予定で、研究費は十分にあるが、購入・搬入が遅延している。研究実施は今年度にずれ込んでいるが、24年度内に遂行可能である。国際学会での発表は該当年度は行わなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本邦で入手できる胃電図測定装置ははPolygraph ID (ASAHI BIOMED)で、得られた胃電図の結果の解析のための専用ソフトは平成23年度交付金ですでに購入済である。胃電図装置本体は他の研究費で購入予定で、研究費の残高は十分にある。ただし、実施施設である東京女子医科大学での医療機器購入の許諾が得られず、手続きが遅延しているので、実施が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
胃電図測定装置の購入・搬入が迅速に行われるようにし、到着次第、早急に平成23年度の計画を実施する。すなわち、被験患者として既にリストアップしている神経性食欲不振症患者からインフォームドコンセントを得て、生理食塩水やグレリンを静脈内投与して、投与後の胃電図を記録し、得られたデータを専用の解析ソフトで解析する。食欲はVisual analogue scales for appetite 質問紙で主観的な食欲の評価を記入させる。採血をして得られた血液を用いて、intactグレリンとtotalグレリンなどを測定する。平成23年度の計画を実施しつつ、平成24年度の計画であるグレリンによるアセトアミノフェンによる胃排出時間へ及ぼす影響を検討する。平成23年度交付金の未使用分と平成24年度の交付金を合わせて使用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
グレリンなど血中ホルモン測定費用、結果の解析作業のため研究補助員1名(8時間/日)、被験者には2時間程度(2000円)の研究協力謝金に使用する予定である。また、得られた結果の処理について統計学の専門家にコンサルテーションや実際の解析を依頼する。
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