2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨・血管連関の解明を目指したLDLコレステロールが骨に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
23590882
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山内 美香 島根大学, 医学部, 講師 (40379681)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 利嗣 島根大学, 医学部, 教授 (00226458)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / LDLコレステロール / 脂質異常症 |
Research Abstract |
臨床研究においては、閉経後女性211名を対象に横断検討にて、脂質異常症と骨代謝の関係について検討を行った。LDLコレステロール(LDL-C)、HDL-C、中性脂肪は、骨代謝マーカー、骨密度のいずれとも相関を認めなかった。次に骨折の有無と脂質代謝指標との関係の検討において、LDL-Cは椎体骨折の有無で差を認めなかったが、非椎体骨折では骨折有群で有意に高値を示した。さらにロジスティック回帰分析にて、閉経後年数、身体活動度、心血管イベント歴、骨吸収マーカー、血中Ca、P、Cr、25位水酸化ビタミンD[25(OH)D]、大腿骨頚部骨密度、握力、つぎ足歩行能、脂質治療薬の有無で補正後もLDL-C上昇は有意な非椎体骨折のリスク因子として選択された。高LDL-C血症は骨-血管相関に関与する因子のひとつである可能性が示唆された。この結果をWorld Congress on Osteoporosis - International Osteoporosis Foundationの国際学会において発表し、さらにEndocrineに投稿し、受理された。 基礎実験ではMC3T3E1マウス骨芽細胞様細胞、および10T1/2マウス未分化間葉系細胞を用いて、酸化LDL-Cが骨芽細胞への分化に影響を及ぼすかを検討した。増殖能は細胞数カウント、分化能はアルカリフォスファターゼ(ALP)活性、type I collagenとosteocalcinの発現を検討したが、有意な影響を認めなかった。次にマウスstromal ST2細胞、骨髄間質細胞を用いて、これらの細胞の石灰化能におよぼす酸化LDLの影響を検討したが、影響を認めなかった。今回の実験系ではLDL-Cおよび酸化LDL-Cの骨芽細胞様細胞、未分化間葉系細胞、骨髄間質細胞への影響は認めず、LDL-Cの骨におよぼす作用の機序について明らかにすることはできなかった。
|
Research Products
(5 results)