2012 Fiscal Year Research-status Report
神経性食欲不振症の低栄養が脳機能・消化吸収能・代謝機能へ与える影響の客観的評価
Project/Area Number |
23590884
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河合 啓介 九州大学, 大学病院, 講師 (80325521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 千春 九州大学, 大学病院, 教授 (80117100)
吉浦 敬 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40322747)
|
Keywords | 神経性食欲不振症 / 栄養療法 / 脳機能 / 緊急入院 / 体組成 |
Research Abstract |
神経性食欲不振症患者(AN)に対して、精神状態や身体状況(特に栄養状態)について、客観的指標<血液生化学検査、核磁気共鳴画像(Magnetic resonance imaging)等の脳機能画像、自律神経機能検査、体組成、胃排出能検査、基礎代謝、心理テスト>などを治療前後で測定し、やせが心身に及ぼす影響や治療抵抗群の特徴を明らかにして、心身両面からの有効な治療法の確立を目指ものである。 実績 ①摂食障害患者において、低栄養による身体的要因のために緊急入院する危険度は、除脂肪量の減少と有意な相関をする。さらにBMI(Body mass index)が13kg/m2以下になると体重低下度が増加することを統計学的に証明した。(K Kawai, et al.Biopsychosco Med.5:14, 2011)。②栄養療法を行うと、摂食障害患者の痩せの程度によりその体組成の回復のパターンが異なること、安静時基礎代謝は健常人と同等を保っている(河合啓介ら 心身医学vol 52, No,3.201-207, 2012。河合啓介ら 心身医学vol 52, No,10 .911-917, 2012)。③ AN患者の栄養療法において、リン含有の栄養補助食品(アルジネード)を予防的に使用するとRefeeding症候群を予防することが可能となる 山下さきの、河合啓介ら 日本静脈経腸栄養学会機関誌 accepted 2013, 第16回日本摂食障害学会 研究奨励賞) 上記結果を2012年 アジア心身医学会シンポジウム(モンゴル)で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経性食欲不振症患者(AN)の精神状態や身体状況(特に栄養状態)について、客観的指標による評価では <血液生化学検査体組成、基礎代謝、心理テスト>に関する研究のデータ収集は概ね修了した。現在身体的要因で緊急入院をきたすANの社会心理的要因に関する原著論文、Refeeding症候群を予防に関する原著論文を作成中である。 核磁気共鳴画像(Magnetic resonance imaging MRI)、脳波、脳磁(Magnetoencephalography: MEG)等の脳機能画像に関する研究の進行が遅れている。具体的には、健常コントロールのデータ収集が遅れていることが、研究の進行が遅れている要因である。 脳波、脳磁(Magnetoencephalography: MEG)等については、入院前後で10名程度のデータがあり、現在、脳波検査でのスペクトル解析解析中にて興味深い結果を得ている。今後さらに症例数を増加させる予定である。平成25年には予定症例数を修了できると考えている。 MRI検査でのでfMRIによる休止課題のDefault network、拡散強調MR画像による白質の神経走行の研究を遂行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
データ収集の修了した、体組成や生化学の研究については、論文化をすすめる。 データ収集の遅れている脳機能画像研究を本年度は中心にすすめる。 健常コントロールは平成25年4月の段階で8名確保できており、あと10-15名を積極的に募集する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脳機能画像の機材使用費(MRI、MEG,脳波)一名あたり約2万円x30回、学会発表の旅費、人件費・謝金、を予定している。
|
Research Products
(7 results)