2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経性食欲不振症の低栄養が脳機能・消化吸収能・代謝機能へ与える影響の客観的評価
Project/Area Number |
23590884
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河合 啓介 九州大学, 大学病院, 講師 (80325521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 千春 九州大学, 大学病院, 教授 (80117100)
吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40322747)
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Keywords | 神経性食欲不振症 / 体組成 / 中鎖脂肪酸 / 脳波 / fMRI |
Research Abstract |
神経性食欲不振症(AN)において、Body mass index(BMI)12kg/m2以下では、それ以上と比較して、体組成が変化(除脂肪量の比率が減少)する。これは、飢餓時のエネルギー供給がBMI12kg/m2前後を境に貯蔵脂肪から筋肉・内臓組織などが主になることが推察されることを明らかにした。さらに、栄養状態がこのstageになるとに身体的要因による緊急入院が増加することを明らかにし、生体の状態に合わせた効率よい適切な栄養療法の必要性を提案した。 入院中のANに中鎖脂肪酸を6g/日、1ヶ月間経口投与すると食欲促進効果のある活性化グレリンが有意に上昇する。これは生体内で不活化したグレリンのオクタノイル化が進行することが要因であると推察されることを明らかにした。 血中脂肪酸は、AN-R(制限型)とAN-BP(むちゃ食い排出型)ではそのプロファイルが異なる。AN-BPでは糖質からが合成可能な脂肪酸が増加している。その要因として過食中に糖質が吸収されている可能性が示唆された。 AN患者の脳波データを定量的に扱い(高速フーリエ変換による周波数解析)、入院時の後頭部優位に出現する優位律動(α波)の周波数が遅い。この解析を開眼時、光刺激時のα波の抑制率及び過呼吸賦活時の徐波化の項目にも応用、脳波を定量的にスコア化する基準を開発した。fMRIを用いて安静時のDMNが栄養療法前後で、後部帯状皮質(posterior cingulate cortex,PCC)と内側前頭前皮質(medial prefrontal cortex, MPFC)での活動性の変化を検出した。
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Research Products
(9 results)