2013 Fiscal Year Annual Research Report
線維筋痛症患者への心理教育ガイドラインの作成とその実証的研究
Project/Area Number |
23590893
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
金 外淑 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (90331371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正人 日本大学, 医学部, 准教授 (60142501)
松野 俊夫 日本大学, 医学部, 講師 (20173859)
住吉 和子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (20314693)
|
Keywords | 心理教育ガイドライン / 臨床への示唆 / 患者の視点 / 家族の視点 |
Research Abstract |
これまでの結果を踏まえ、本年度は患者とその家族への適切な支援に焦点を当て、次の治療ステップへの方向性を考察し、患者やその家族への発信方法の一つとして心理教育ガイドラインを提案するのを目的とした。 FM患者(以下患者群)は、記入もれや記入ミスのあったものを除き、有効回答者合計117名(男性:6名、女性:111名)と、その家族(以下、家族群)、有効回答者合計81名(男性:54名、女性:27名)を対象とした。その結果、①家族構成をはじめ、同居者、会話時間、現在困っていることなどについて詳細に分析を行い、患者・家族が抱えている状況を把握することができた。②FM患者とその家族の性格特性を分析したところ、患者群の得点が有意に高く、特に「過剰な努力12.00」と「強迫的な思考10.74」においての有意差がみられた(p<.01)。痛みの罹病期間が長いほど、許せない感情を無理に消そうと我慢し、お互いにプレッシャーを掛け合い、過剰な努力をするため、痛み行動につながる可能性が高い傾向がみられた。③患者とその家族のSDS(自己評価式抑うつ尺度)の得点を比べたところ、患者の生理的随伴、心理的随伴の得点が有意に高く(p<.01)、感情面についてもやや高かった。④患者自身が自分の家族をどう思っているのかについては、「家族に迷惑をかけたくない」という項目の得点が高いことに対し、家族は「患者の体調や心理状態に波があり、良い時には頑張りすぎて、調子が悪くなり、その繰り返しである」と考えていることがわかった。 以上のことから、患者の痛み行動の様子や家族の痛みの受け止め方などの全体像を捉えることにより、介入すべき目標がより詳細に明らかになり、臨床的介入につなげる示唆を得ることができた。また、治療への負担軽減を図るのに必要な情報をまとめ、患者やその家族向けの心理教育プログラム冊子の作成に役立った。
|
Research Products
(11 results)