2012 Fiscal Year Research-status Report
老人性骨粗鬆症に対する代替医療による予防および治療効果の基礎的研究
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23590899
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
那須 史男 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (10180530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 かおり 鈴鹿医療科学大学, 鍼灸学部, 講師 (40399035)
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Keywords | osteoporosis / SAM |
Research Abstract |
23年度の実験により、老人性骨粗鬆症モデルマウスSAMP6は対応する正常老化マウスSAMR1に比べて、明らかに大腿骨のストロークと最大曲げ荷重が減少しており骨の強度が低下していることが分かった。 SAMP6マウスが最大骨量に達するのは約20週齢であることが報告されている。24年度は、その時期の①8週間前からと②8週間後まで週3回灸を施して、それぞれ骨に対して効果があるかどうかを検討した。また、日本SLC社から供給されるSAMP6には、時期によって体重に大きな差がある。体重の差は骨への負荷の差となり骨に影響を与えることが考えられるので、SAMP6の体重が有意にSAMR1より重い場合とそうでない場合において、骨強度に差があるかどうかを確かめた。 (結果)大腿骨の3点曲げ試験によって調べた骨強度は、①最大骨量に達するまでの8週間、及び②達してからの8週間施灸したSAMP6群と拘束のみのSAMP6群とでは有意差が見られなかった。対照として用いたSAMR1群とSAMP6群の間には明らかな骨強度の違いが認められたので、骨粗鬆症モデル、解析方法は妥当であったと思われる。供給されるSAMP6の間に見られる体重差は骨強度にほとんど影響を与えず、大腿骨3点曲げ試験および腰椎圧縮試験での検討の結果、SAMR1より有意に骨強度が低いことが確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
23年度は学内の事情により、研究時間がほとんどとれず大規模実験に着手できなかった。24年度には骨量に及ぼす灸の影響実験を行い、骨試料・血液試料を採取できたが、全体的に進行が遅れており解析が終わったのは骨強度のみである。現在、実施した実験試料の生化学的、組織学的解析を行いながら、さらに骨に対する連日鍼通電の影響実験を並行して行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
骨に及ぼす灸の影響実験では、骨強度に有意差は見られなかったが、さらに免疫組織化学的解析・酸化ストレスマーカー解析・ホルモン等の解析について骨質を中心に解析を進めていく。現在連日行っている鍼通電実験に関しても力学的解析・生化学的解析・組織学的解析を早急に進めて結果をまとめる方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は①骨の力学的試験(140,000円)、②ERISA法のための試薬など(30,0000円))、③プラスチック器具類(60000円)④学会等国内旅費(10,0000円)に使用する予定である。
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