2013 Fiscal Year Annual Research Report
老人性骨粗鬆症に対する代替医療による予防および治療効果の基礎的研究
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23590899
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
那須 史男 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (10180530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 かおり 鈴鹿医療科学大学, 鍼灸学部, 講師 (40399035)
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Keywords | 老人性骨粗鬆症 / SAMP6 / 鍼 / 灸 / Glutation Peroxidase / AGEs / ホモシステイン |
Research Abstract |
SAMP6への鍼刺激および灸刺激が骨強度の低下を抑制するか,その可能性を調べた。老人性骨粗鬆症モデルマウスの妥当性と鍼灸の効果を調べるために3点曲げ試験による骨強度を指標として用いた。 鍼刺激実験として,SAMP6/TaSlc(♂)の10~20週齢間(実験①),あるいは14~33週齢間(実験②)に足三里相当穴(下腿外側)に週5~6回30分間の鍼通電刺激を与えた(PA群①および②)。灸刺激実験として,12~20週齡の間(最大骨量達成前:PMB群),あるいは20~28週齢の間(最大骨量達成後:PMA群)足三里相当穴に週3回灸刺激を与えた。いずれの実験にも拘束のみのSAMP6(PC群)と骨正常モデルであるSAMR1/TaSlc(R群)をコントロールとして用いた。その結果,R群の骨強度はPC群および全てのSAMP6群より高く,SAMP6が骨粗鬆症モデルであることが証明された。PA群で骨強度が増加する傾向(P=0.062:PA①,P=0.078:PA②)が見られた。PMB群,PMA群ともにPC群との骨強度の差は見られず,実験条件での灸の効果は認められなかった。 骨強度には骨量だけでなく骨質も重要であり,生活習慣病は骨質に影響を与える。以前の実験により,鍼刺激は腰椎の骨密度を増加させることがわかったので(第113回日本解剖学会で報告),今回は骨質への影響を調べた。骨質低下を招く酸化ストレスの指標として血清中の抗酸化作用(Glutathion Peroxidase活性)と,骨中のコラーゲンの非生理的架橋を反映する血清中のグリセルアルデヒド由来AGEsとホモシステイン量をELISA法で測定した。結果は鍼刺激群,灸刺激群ともコントロール群との間に差が認められなかった。 今回の実験条件からは,灸刺激ではなく鍼刺激による骨強度改善傾向が見られた。またそれは,骨質改善の結果ではない可能性が示された。
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Research Products
(1 results)